ふんわりと軽く冷えた米をしゃもじで大量に掬い、塩を付けたラップにどかっ、と乗せる。種を取った梅干しと昆布の佃煮、輪切りのたくあん三つをそのまま真ん中に詰め込み、ぎゅ、ぎゅ、と握って三角にする。ちょっとたくあんがはみ出してるけど、これでも上手くなった方だ。ほんとに。味付け海苔でぐるぐる巻きにしたら、俺の特性ドデカおにぎりの完成だ。
あとは昨日の残りの野菜スープを保温ボトルに入れて持っていく。これが俺の昼飯。
もう二つ……塩の量を少し減らした小さいおにぎりを二つ作り、これまた小さい弁当箱に詰める。彼女の分だ。もしこれが俺の昼飯だったら、空腹で夕方には死んでる。
ちなみに弁当のおかずは自分で詰めたいらしい。前に俺が用意したら肉だらけになっちゃって、すげえ怒られたから多分それが原因だと思う。
彼女は洗濯機を回して、風呂の掃除をし始めた。彼女の出勤は少し後だ。俺はもう、出なきゃいけない時間だけど。
荷物を持って、掃除をしている彼女の元へ行く。
「美月」
振り返った彼女のおでこに、ちゅ、と軽いキスを落とす。
「いってきます」
「うん、いってらっしゃい。陽」
ふわ、と笑う彼女を見て、踵を返し、俺はアパートを出た。
はあぁー……。もうすでに帰りたい。
prev / next
[ back ]