どしゃぶりではなくなりましたが、未だに強い雨は降り続いています。
そんな中、少し大き目の傘を差して彼女と二人、歩いています。
お互いが雨に濡れてしまわぬようにと、距離は自然に近くなります。
時折、お互いの肩や腕が当たっちゃったりして。
はあ、僕、このまま死んでいいかも。
チラッと、彼女の方を盗み見ます。
僕は彼女より背が高いので、バレません。見放題です。
……ごほん。別に、変なところを見ようなんて思ってないですよ?
濡れないように腕で鞄を抱きしめている彼女の頬は、少し赤らんでいました。
湿度が高いので、蒸して暑いのでしょうか。
そりゃあ、こんな近くに自分より大きな男がいたら、そうなるでしょうね。
なんだか申し訳ないです。
僕はといえば元の身体がほとんど水分なので、全然平気です。
ポワルンですからね。
大きな傘の中で、僕たちはほとんど……いえ、ずっと無言でした。
雨音にかき消されて、お話ししてもお互いの声が聞き取りずらかったからです。
僕が口下手だということも、こういう状況が気恥ずかしかったということも、あるかもしれませんが。
でも僕、とっても幸せでした。
……彼女の気持ちは、分かりませんが。
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