最近場地さんは何だか荒れている。昨日チームの奴を殴ってマイキーくんから謹慎を言い渡された。場地さんに何聞いても「うるせぇ」「むしゃくしゃしただけだ」としか答えてもらえないし、何よりも少し前から一緒に行動をしていないから場地さんと話す時間が全く無い。場地さんと常にいる俺からすると、場地さんはきっと1人で何かをしてるんだと思ってる。
そんな風に思っていた最中、参番隊隊長任命式でタケミっちって奴が新参番隊隊長をぶん殴った後に謹慎中の場地さんがタケミっちをぶん殴った。そのまま東卍を辞めて芭流覇羅に行くと宣言して集会を後にした。
ずっと背中を追ってた人が突然消えて、敵となるだなんて思いもしなかったから俺の心は酷く落ち込んだ。でも俺には分かる。場地さんはきっと新しい参番隊隊長の稀咲って奴を探るために芭流覇羅に入ったんだと思う。
学校なんて行ってられなくてしばらくサボっていると、なまえさんからメールがきた。
"千冬くん少し話さない?"
"お昼休み屋上にいるね"
落ち込んでばかりじゃ何も変わんねえのは分かっていた。なまえさんからのお誘いは初めてで、きっと場地さんの事を誰かから聞いたんだろうと想像がついた。その事を話したいんだと察した俺は準備をして学校に向かった。
「おサボりの不良くん、おはよう」
「…サボってんの知ってたんすか」
「下駄箱見た」
なまえさんはニコニコと俺を揶揄いながらオレンジジュースを渡してくれた。
「ウッス」
「お昼ご飯もまだだよね?サンドウィッチ食べる?」
「…なまえさんは?」
「わたしもあるからコレは千冬くんが食べていいよ」
なまえさんが俺のために買ってきてくれたなら素直に受け取っておく事にした。
「いろいろとすいません」
「ううん、むしろ圭ちゃんがごめんね。千冬くんキツイよね」
「…場地さんの事知ってるんすね」
「エマから聞いた。圭ちゃんが東卍辞めて芭流覇羅ってチームに行くんだよね」
マイキーくんがエマちゃんに話したんだろうか。あれだけなまえさんを危険な目に遭わせたく無い場地さんの事だから当たり前だけど、場地さんはやっぱりなまえさんに何も話していなさそうだ。
「圭ちゃんは何か考えがあっての行動だと思うよ」
「俺もそう思ってます。場地さんが俺らをあんな簡単に裏切ると思ってねぇっす」
「そうだよね。さすが圭ちゃんの側近だ」
俺の事を元気付けようとしてくれてるのが伝わって、この人は本当に日々愛しさが増す。
「俺は何があってもずっと場地さんを信じます。俺が着いて行くと決めた人なんで」
「…圭ちゃんは幸せ者だね。こんなにも自分を信じてくれる人がいて」
なまえさんが目を細めて微笑みながらそう言った。
「じゃあ俺の好きな人も幸せ者っすね」
「…そうだね」
最近は俺が少し攻めて照れるなまえさんを見るのが楽しくて仕方がない。
「俺、場地さんに会いに行こうと思ってるんでその時に話し合ってみます」
「そっか、今の圭ちゃんよく分からないから気を付けてね」
「ウッス」
さっきまで場地さんの事で気持ちが落ち込んでたけど、なまえさんのお陰で少しスッキリした。早速場地さんに連絡をすると、場地さんからも"ちょうど俺もお前に用がある"と返信があった。
場地さんから指定のあった集合場所に行くと既に場地さんがいた。
その後のことはあまり覚えていない。俺が場地さんに話しかけたとほぼ同時に殴られ、そのままどこかへ連れて行かれた。そして冷たい床の上でさらに意識が無くなるまで殴られ続けた。
それでも俺は場地さんの事を信じてる。