今日はタケミっちが黒龍の総長にボコられたと聞いて見舞いに行った。相棒として最近はよく一緒にいるタケミっちは、たまに訳わかんねぇ時がある。何か必死でガムシャラになってる時と年相応にバカな時。
そして今日のタケミっちは前者だった。黒龍について何か考えてるみてぇだ。
「これは俺と黒龍の問題だ⋯東卍は関係ねぇ。俺一人で片付ける」
「⋯タケミっちちょっと付き合え」
俺はタケミっちと2人で話がしたくてバイクに乗せて外に連出した。
「いいバイクだろ?場地さんから譲り受けたんだ」
「…千冬わかってるよ、一人で抱え込むなって言いてぇんだろ?仲間がいるって言いてぇのはよく分かってる!でもっ」
「ははっ、そんなこと言いに来たんじゃねーよ。たださ、楽しくいこうぜ?」
やっぱり今日のタケミっちは何かいつもより増して切羽詰まっている。
「場地さんはさ、お前を追い詰めるために東卍を託したんじゃねぇよ。場地さんが今ここにいたら、“何下向いてんだよクソミチ!”って怒ってんぞ」
「千冬、俺⋯っ俺未来から来たんだっ」
突然の告白に俺は一瞬言葉を失ってしまった。
「は⋯何言ってんだお前。“未来から来た”?」
「えっと、その⋯」
タケミっちから数々の信じがたい話が聞かされる。12年後の未来から来たと言う相棒。そして、俺が死ぬという未来。
「これが俺がしてきたことの全部だ」
「⋯俺が稀咲に殺される?」
よりによって稀咲に殺されると言われたけど、まだ見ぬ未来の俺の姿を何故か他人事みたいに思えてしまった。
「俺、死ぬんだな⋯」
「なんちゃって。冗談だよ、冗談!」
「何となく気付いてた。考えて見りゃ、お前は変なとこが多いしいつもと雰囲気が違う時があったし」
「それは、えっと⋯」
「芭流覇羅との決戦の前、お前は場地さんにこう言ったんだってな。『“どうか、死なないで”』」
前からタケミっちにあった違和感が、コイツの訳わかんねぇ話によって払拭された。有り得ねえ話とは思いつつ、コイツが嘘を言ってるようにもお前なかった。
「離れていたから何を話していたか詳しくはわかんねぇけど確かにそういった。お前は場地さんが死ぬことを知ってたんだな。だからあんなに必死だった」
「⋯あぁ。でも、場地さんを救えなかった」
「すげぇなお前。一人で戦ってたんだろ?誰も褒めてくんねぇのに。胸張れよタケミっち。大事なの結果じゃねぇ!」
俺は純粋にタケミっちがスゲェと思った。俺が同じ立場だったらそこまで出来るか分からねえ。コイツの諦めない気持ちは素直にかっこいいと思えた。
「誰も見てねぇのに逃げずに戦った。俺はお前を尊敬する」
「信じてくれるのか?こんな、嘘見てぇな話」
「当たり前だバカ!相棒だろ?」
俺が信じた相棒はやっぱりスゲェ奴だった。
「くそっ、泣かすなよっ!」
「ははっ、お前の涙腺ガバガバな!」
「うっせー!バカにしてんのか!?」
喧嘩は弱えし泣き虫だしダセェけど、俺はお前に着いていくと決めた。
「お前はこれから誰にも負けねぇ壱番隊を創るんだ、タケミっち。ゼロからのスタートだけどお前ならできる!黒龍だろうが稀咲だろうがぶっ潰せ!俺が最後まで支えてやる!それが全部を話してくれたお前への、俺の答えだ!これからもよろしくな!」
「⋯よーしっ!やってやんぜ!相棒!!」
俺は一つ気になる事があった。
「なぁ、一つ聞いていいか」
「なんだ?」
「なまえさんってお前が見た未来にいたか?」
「いや、見てねぇけど…」
俺は将来なまえさんと共にしていないって事か。けど、俺が気になる事はそこではない。
「マイキーくんって、俺らが思ってる以上になまえさんが大切なんだよ。もしかしてなまえさんもキーパーソンかもって思って」
「そっか…なるほどな。次未来に戻ったらちょっと調べてみる」
「あぁ、よろしくな」
なまえさんが未来にいるという安心感が欲しかったのもあった。でもそれ以上に俺の隣にいてくれてたら嬉しいな、という期待も込めて聞いてしまった。
どうか、なまえさんと一緒に過ごしてる幸せな未来が来ますように。
「つーか、千冬ってなまえさんの事好きだよな」
「え、誰に聞いた?」
「いや、見てたら分かるだろ」