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無事にテストが終わった。
倫太郎くんのお陰で数学もいつもに比べてスムーズに問題が解けた。

そして、体育祭まで3週間を切った。今日からは全力で体育祭モードになる。クラスTシャツや応援旗作り、うちのクラスは応援うちわも作る予定だ。そのため、授業がいくつか潰れて体育祭の準備に充てられる。私と絵麻と治くんは細々とうちわ作りをしている。

「なまえセンスええからクラスT担当になれば良かったやん」
「クラスTは葉月達の一軍にお任せした方が可愛くしてくれそうやん」
「はづちゃん、なまえの事大好きやから手伝う言うたら喜ぶんちゃう?」
「それ言ったら絵麻やってむっちゃ凛華に好かれとるやん。クラT班行ったら?」
「うちはセンスあらへんから」
「私も応援グッズより体で貢献するからええんよ」
「なまえその発言は角名がキレるで」

そーゆう意味ちゃうから!と反論するとケラケラと笑う治くん。うちのクラスの一軍女子から、何故かすごく好かれてる私と絵麻。特に葉月は私、凛華は絵麻の事を推してくれてる。

「はづちゃんと凛華がなまえとうちの応援団扇作るって気合い入れてたで」
「ほんまに?あの子らジャ⚪︎オタやからクオリティやばいんちゃう?」
「はづちゃんはなまえの団扇を持った角名くんとのツーショ撮りたいって言うとったで」
「うわ!それは私も撮りたい」
「なまえが撮りたい言うたら角名喜んで撮るんちゃう?」
「なまえオタクの角名くんおもろすぎやん」
「俺も絵麻の団扇持つから写真撮ろうや」
「はっ!?」
「ええやん!私撮ったるから!」

そんな会話で盛り上がってると、同じクラスで体育委員の羽柴くんが声を掛けてきた。

「みょうじさん、部活時間の前に視聴覚室で体育委員の集まりあるみたいやから忘れんといてな」
「体育祭のやつやんな?分かった、ありがとう」

今日の体育委員の集まりは、きっと担当別の仕事詳細についての資料を貰うと思う。倫太郎くんが気にしていた近藤くんとの倉庫確認の日もおそらく分かると思うから連絡しないとな、と考えていた。

委員会の時間になって空いてる席に着くと、隣に近藤くんが座った。隣ええ?と座りながら聞いてきたもんやから、もう座ってるやんと言うと楽しそうに笑っていた。テストの事や体育祭の事を聞かれて普通に答えていると、委員会の先生が来たため会話はそこで途切れた。

予想通り担当の仕事内容と時間等が詳しく書かれた資料を貰う。近藤くんとの倉庫確認は体育祭の2日前の昼休憩だった。チェックリストに書かれているものがあるかの確認をするらしい。

「じゃあこの日は昼休憩に第一倉庫集合にしよか」
「そうやね、忘れんように行く」

そう約束して部活へ向かった。その帰りに倫太郎くんには、貰った資料の私達の欄を写真で撮ってそのまま送った。

『これ、倉庫確認の資料』
『体育祭の2日前に確認するんやって』

そう言葉を添えると、すぐに既読がついた。

『俺その日の昼休憩リレーのバトン練習があったかも』
『終わったらすぐ倉庫行く』
『気を付けてね』

倫太郎くんも暇な人じゃないのに、心配性が故に彼の時間を割かせてしまった。かと言って、大好きな人に心配されるのは嫌な気持ちにはならない。むしろ大切にされてる気がして嬉しくなる。愛されてると実感させてくれる人と付き合えて幸せだ。

体育祭の準備が佳境を越え、各クラスバタバタとしてきた。どのクラスも一軍女子が気合を入れてるのが目に見えて分かる。うちのクラスの一軍女子も今時のキラキラした子達だから、彼女達のお陰で可愛いクラスTシャツと応援旗、応援団扇が完成しそうだった。

「なぁ!なまえ見てー!なまえ団扇作ったんよー!むっちゃ可愛くない!?当日角名くんにも持たせるつもりやから!」

クラス応援グッズ完成間近と共に、絵麻が言っていた葉月作の私団扇が完成したようだった。家でいそいそと作っていたらしい。そしてクオリティがほんまにアイドルのコンサートで見かけるソレやった。

葉月はこれ持ってリレー応援したるから!ファンサしてな!とアイドルのイベントに参加するファンのような事を言っていた。

「初めて自分の団扇作ってもらったんやけど、なにこれむっちゃ嬉しい!てか葉月団扇作んのほんま上手いんやね!」

素直に喜ぶと葉月も、推しが尊い…と喜んでくれた。その時たまたまうちのクラスの前を倫太郎くんが通りかかった。

「あ、倫太郎くん。4組も準備?」
「うん、そうだよ。なまえ達も?」
「ええところに角名くん来たやん!角名くん、体育祭当日この団扇持ってなまえと写真撮ってやー!」

そう言って倫太郎くんに私の団扇を見せる。

「え、すご。これ作ったの?」
「そう、葉月が作ってくれてん」
「結構力作やから!なまえと角名くんのカップル推してるから写真撮りたいんよ〜」

倫太郎くんはうちわを見て普通に関心していた。

「倫太郎くん、これ持ってくれへん?」
「俺に持って欲しい?」
「うん、持って欲しい」
「いいよ。写真撮ろう」
「ほんまになまえが喜ぶなら何でもしてくれるんやな」

そうと決まれば当日は張り切っておめかししないとあかんな、と勝手に楽しみになった。

「なまえの特攻服とかも作れば良かったわ」
「それはやりすぎやろ。葉月ならやりかねんのが怖いわ」








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