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朝起きて新年の挨拶を再度して、朝ごはんを食べてから準備をして家を出る。神社は家の近くらしいので、歩いて向かう事にした。お互いの右手には新しく買ったお揃いの指輪が輝いている。それすらも嬉しくて、なんだか心がこそばゆい。

屋台が並ぶ神社に入ると、そこは人で溢れていた。逸れないようにと手を繋ぎ歩いてくれる倫太郎。手水舎に向かい清めた後、参拝の行列に並ぶ。人は多いものの回転は早そうであまり時間も掛からなさそうだ。

「あれ?角名じゃん!お前他県行ったんじゃねーの?帰省?…ってか隣彼女!?」
「っえ!角名くん!?」
「わ!ほんとだ、角名くんだー!」
「え、角名?」

私たちの後ろに来た男女の大人数のグループが、倫太郎の中学時代の同級生達だった。中には倫太郎を知らない子もいたみたいだったから、高校の仲良しグループみたいなものだろう。

「おー、久しぶり。昨日から帰省してきてんの。この子は俺の彼女」

倫太郎が紹介してくれたのでペコリと一礼をすると男性陣は目を輝かせてくれた。

「SNSで彼女いたのは知ってたけどこんな可愛かったんだ」
「お前中学時代モテてた癖に彼女とかいなかったのに、高校でこんな可愛い彼女できたんだな」
「いや、このレベルはさすがに普通いねぇだろ」
「別に顔で選んだわけじゃねぇよ」
「ふふふ、私の一目惚れやったからね」

私が言葉を発すると周りの子は黙って私を見つめる。何か変な事でも言ったかなと思っていると、1人の子が小さな声で「関西弁可愛い…」と溢した。

「ってか一目惚れ!?角名からじゃなくて!?」
「マジかよ…こんな無気力そうな奴が…」
「角名くんかっこいいしあんたらじゃ勝てないよ」
「彼女さんもバレー部?」
「ううん、チア部」
「チア部!?絶対可愛いじゃん!」
「男のロマンが詰まりまくってる…!角名てめぇ!」

そうして私と倫太郎の話や倫太郎の中学時代の話をしながら並んでいるとあっという間に参拝の番になった。5円玉を投げ入れ、今年も倫太郎と仲良く楽しく健康に過ごせますようにとお願いをした。お互いに参拝を終えお友達グループにじゃあねと声を掛けると「他のやつにも角名超可愛い彼女いるって教えとくわー!」と言われた。その中で1人だけ明らかに私に敵意を向ける視線を送る女の子がいた。

「面白い友達やね」
「みんな明るくて楽しかったよ」
「ふふっ、倫太郎の顔見てれば分かる」

その後は屋台でいくつか買ってフラフラと歩く。元旦でお店はあまりやってないのもあり、その後は家でゆっくりする事にした。妹ちゃんも友達と出掛けているらしく不在で、お母さんとお父さんも今から出掛けるとの事で家は2人きりになった。

「なーんでそんな離れてるの。もっとこっち来てよ」
「いや、なんか、その、恥ずくて」
「なんで。俺の部屋だから?」
「倫太郎の実家の部屋だからちょっと躊躇してまうやん」
「へぇ、エロい事想像してるんだ?」
「ちゃう!わけやないけど…!」

そう答えると倫太郎は距離を縮めて口付けをしてきた。徐々に深まる甘いキスに、私もすんなり受け入れてしまうくらい彼に弱い。倫太郎とのキスは優しくもあり強引で、主導権はいつも倫太郎だった。

「母さんたち帰ってくるまでならシよっか。たぶんしばらく帰ってこないし」

そう話しながら私の服に手を入れてくる。その時私はふとさっきの事を思い出した。

「ねぇ、さっきの友達の中に元カノとかおったん?」
「さっきって神社の?」
「そう。1人明らかに私の事敵視してそうな子がおってちょっと気になっただけなんやけど」

そう言うと少しだけ苦い表情をする倫太郎。

「元カノじゃないよ。ただ…まぁ何回か告られた事ある子ならいた」

心の中でなるほど、と納得した。きっと自分が立ちたかったその場所にいる女が憎いのだろう。

「でもマジで俺はなんとも思ってなくて全部断ったし高校入ってからは連絡先もとってない。もちろん2人で遊ぶとかもした事ないし。なまえが嫌なら連絡先消すけど」

倫太郎は何の躊躇もなくそう言ってのけた。服に入れていた手もいつの間にか私の腰に巻き付いていた。

「消すまでせんくてええよ。倫太郎の事信用しとるし。ちょっと気になっただけやから」
「そう?少しでも嫌な思いしたら言ってね」

そう言って流れるように私の体を触り出し、彼の熱を感じながら愛ある行為を始めた。










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