ジュンヒメ
2019.11.14
驚きを隠せない声と共に伸びてきた両の手が頬を包む。ぺしぺしと叩いてみたり、少しつねってみたり。まるで存在を確かめるかの様に何度も繰り返される。
「本物?」
「本物じゃなかったら何なんですかねぇ」
そう簡単に偽物がいても困りますけどぉ、と付け足すと確かに、と納得した姫香の表情が物語る。相変わらず表情に出やすいこと。
「うん、私の知ってるジュンくんだ」
頬からゆっくり離れた手がぐるりと腰に回される。鍛えてるね、なんて呑気な発見をしているがこの現状、この距離の近さ。ぎゅう、と隙間なくくっつけられた体の女性特有の柔らかさは衣服越しに嫌でもわかる。
「…ヒメ」
「はいはい?」
あぁ、別に何も意識してない、と。寧ろ、含みのある行為じゃなくて子供時代の延長戦だ、と。これは途方もない時間を有する事になりそうだ。