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「あ゛ー潰れてる人ってほんと重い……!」
我が家のソファにぺいっと放り投げてごちる。修次さんが居なかったら多分放置してた。俺だけだったら運べないもん。
「筋肉付けろ零音、何かと役に立つぞ」
くしゃり、と俺の頭を撫でて言う修次さんはマッチョさんだけど、俺がムキムキになってもキモイだけだよ……。
恨めしげに見る俺に快活に笑って、修次さんはそのまま帰っていってしまった。
連れて帰って来たはいいものの、起きないから何もしようがない。床に座ってローテーブルに肘を付きながら、ぼーっと寝顔を眺めてみる。
「もろタイプ、なんだよなぁ……」
まぁ、腹立つことに。
寝顔を眺め続けててもしょうがないから、サッとシャワーを浴びて速攻ベッドに入ろうと思って立ち上がる。
いや、眺めてても良いんだけど眠くなってきたしね、そう思ってとりあえず寝る為の行動を起こす事にした。
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ジャカジャカ、最近お気に入りのバンドの曲がスマホから流れてる。緩慢な動きでもぞもぞと布団の中でスマホを探してるけど一向に手に当たらない。あれ、どこいったの俺のスマホ……。
目を開けずにもぞもぞ動き回ってたら体のどこかに当たったんだろう、ゴッて音が床からした。多分、スマホ落ちた。
「おはよう零音くん、もう昼だぜ」
近くで声が聞こえた、と同時にうるさかった音楽は止まった。ん、え、だれ?
「…………あー……おは、よ?」
「ふは、ねぇ俺の事見えてる?眼鏡かける?」
寝ぼけ眼でジッとその人を見つめてるけど、正直ちゃんと見えてない。俺の視力と寝起きの悪さを舐めないで欲しい。
笑いながら俺の眼鏡、だと思う物を差し出してくれたので、キチンと掛けてから見つめ直す。
「……かみなりさん、おはようございます」
「あはは、おはよー。覚えててくれたんだ俺の事、っていうか、何で俺零音くんちに居んのか分かる?」
気まずそうに頬を掻きながら、上鳴さんはそう言った。あー、そうだったね。でもその前に……。
「おちゃ……」
ずりずりとベッドから降りて、四つん這いで床を這いながらキッチンへ。冷蔵庫からペットボトルの麦茶を取ってぐいっと煽る。あー生き返る……。
久しぶりの水分が身体に染み渡る様な感覚がして、尻尾がぷらぷら揺れる。
「あの、零音くん……?」
「んー、ごめんね上鳴さん、おれ寝起きわるくて……」
目とかきっと半分くらいしか開いてないし、いつもの営業スマイルも出来てない。普段の俺で申し訳ないと思うけどもう今更かな。
長い前髪の隙間からぼやっと上鳴さんを見ながらそう言えば、なんか口をもぞもぞさせてる。ごめんてば。
「あー、いやー、大丈夫。とりあえず飯食べる?お昼だし」
気を使ってくれた上鳴さんに返事をしようとした瞬間、ぐうう、とお腹の音が響いてしまった。代返ありがとうお腹……。
手早く外に出る準備をして、歩いて3分くらいの近所のファーストフード店へ来た俺達ふたり。
手早く、と言っても俺の動きは遅いし、上鳴さんは昨日のままだったからシャワーを貸してあげたしで、ご飯にありつけたのは13時を回ってからになってしまった。
「うわぁ……ごめんね零音くん、マジありがと」
「いえ、俺も流石に見なかった事には出来なかったので」
バーガーを食べながら昨日の顛末を話せば、上鳴さんは心底申し訳なさそうに謝ってくれた。ちなみに今上鳴さんは俺の服を着ている。なんか変な感じだ。
「やーでもこの歳にもなって潰れてその辺で寝てるとかマジハズイじゃん、零音くんに助けられて良かったわ……」
「上鳴さん、何歳でしたっけ」
そんなに年上な様には見えなかったけど、もしかして凄い年上だったんだろうか。そう思って聞いたけれど、上鳴さんは笑った。
「俺?24だよ、まぁ世間的にはまだ若い部類?」
「あ、でも年上には変わりないんスね。タメ口聞かなくて良かったです」
俺は22です、と言えば驚いた顔をされてしまったけど、慣れた反応だ。
「マジ?同い年かちょっと上くらいかと思ってたわ、下だったんだな」
「んー、よく言われますよ。テンション低いからですかねー」
セットのアイスコーヒーにミルクを入れつつ適当に返事を返す。ほんとによく言われるけど、どちらかと言えば大人っぽい顔立ちではないと思ってるから、何がそう見せてるのかは謎。
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