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翌朝、世間的には日も高くなったお昼時。まだちゃんと目が覚めなくて、ベッドの上に座ってぼーっとしている。
昨夜はあのまま二人で帰ってきて、家の事をざっくりと説明して、交互にシャワーを浴びてそのまま寝てしまった。どっちがベッドで寝るかの言い合いが一番時間を取ったような気がする……。
結局、居候するんだからと上鳴さんが床で寝る事になったけど、余分な布団とか無いから完全に床だった。今日仕事行くまでに何かしら買っとこう。
当の本人はと言えば今朝は早かったらしく、もう既にもぬけの殻で。
昨日貸した服が無造作に脱ぎ捨てられていて、絶対ギリギリに起きたんだろうなって思って少し笑った。
ただ、彼が使ってる香水の匂いだけが部屋に残ってる。

さて、修次さんを誘って買い出しに行こう。
車出して貰って……、報酬は今日のご飯だ。





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「はぁ、それでお前そいつを家に泊めてやってんのか」
「うんそう。まぁ落ち着くまでっていう話だし、別に問題ないかなって」

一通りの買い出しを終えて、串カツ屋に来た俺と修次さん。今朝までの事をかいつまんで話したら物凄く呆れられてしまった。

「零音……いくら客だっつってもそこまでしてやる義理はねぇだろ。無用心だぞ」

串の先を俺に向けながら注意してくるのはやめてほしいな。ちょっとこわい。
一緒に頼んだ海鮮サラダを摘みながら、心配してくれてる事にはありがと、と小さくお礼を返した。

「んーでも、一応ヒーローだし、流石に世間に顔向け出来ないような事はしないでしょ」
「そらぁそうかもしれねぇけどなぁ……」

ぐいっとビールを煽って、それでも渋い顔をしたままの修次さんを見ていると自然と笑顔になる。ほんと優しいなこの人は。
それにしても、今日は出勤じゃないんだろうか。
じーっとジョッキを見ていた俺の考えを読んだのか、今日は休みだから良いんだよ、とニッと笑って言った。

「あ、休みの日にごめん」
「それも良いんだよ、お前のことは弟みたいでな、世話焼きたくなるんだ」
「おにいちゃん……」
「いや、そういうのは辞めろ……」

ちょっと可愛こぶって言ってみたのに、物凄く嫌そうにされてちょっとばかし不本意だ。

「ま、何かあったら俺でも、店のヤツにでも言えよ。お前こういう事は頼る癖に肝心なとこ頼らねぇだろうが」
「あはー、よくご存知で」

修次さんも同僚達も、俺が一人なのを知ってるから無駄に構ってくれる。こんな俺なんかに勿体ないくらいの優しさ。
分かってんなら頼れ、って軽く小突かれて笑えば、修次さんも快活に笑ってくれた。





自宅に荷物を運ぶのを手伝って貰って、眠そうな修次さんとは別れて職場へ向かう。
きっと帰ってすぐに寝るんだろうなーなんて思いながら、店に続く階段を下りながらふわ、と欠伸をひとつ。

「やだ零音くん眠そうにしちゃって」
「あ、おはようございます」

階段を下りた先に居た沙里さんに目敏く指摘されてしまったけど、とりあえずオーナーとかじゃなくて良かった。
ニコッと笑っておはよ、と返してくれて、そのまま一緒に店へ入る。
今日は誰が来るとか、誰が来ないとか、営業かけないとやばいかなとか、色んな事を話す。とは言っても仕事内容が全く違うから、途中で別れる事にはなるけど。

「そろそろ開店だぞー引き締めてけよー」

上の人の声掛けに各々返事をして、今日の仕事が始まる。
あー、帰って上鳴さんの帰りを待ってたいなーなんて思いは、そっと胸の奥にしまった。





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