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"三国同盟"という言葉がある。
その名の通り、三国が手を取り合い、互いを尊重し、豊かな国、豊かな世界を創り続けていくと誓い合った同盟だ。
各国では国民全員が理解を示し、いかなる時も支持していかなければならないと、そう伝わってきた筈だ。
阿部「俺たちの知る三国同盟は、確かに薄っぺらい。学びの一つとして、一から百まで覚えろというものでもないからあまり気にしたことがなかったけれど、同盟にはこんな一文があったみたい」
"愛を以て結ばれし者らよ、互いを信じ、慈しみ育てよ。
聖血の継承が途絶えることなく満ちたとき、
天の座より降りる光は神威を越え、
新たなる理をこの地にもたらすであろう"
阿部「つまり、聖血...皇族の子どもがいずれ天から神をも超える力を授かる、と...こういう神話がそのまま載ったんだろうね」
苗字「そんな...知らなかった」
阿部「俺も見たことがなかった。きっとリンドールもレイスも、同盟とかけ離れたその一文をいつの日か忘れていったんだ」
でも、ダムルブルクは違った。
阿部「さて、ここからは"裏史"について。どうしてダムルがリンドールとレイスを狙ったのか、そして...リンドール王妃と第一王女が殺されたか」
苗字「っ、」
阿部「俺の見立てが正しければ、皇族の血統が関わっているんだと思う。レイス皇女、リンドール王妃、第一王女...そして名前様、あなたも。全員が女性だ」
ダムルブルクの皇室は代々女の子どもに恵まれなかった。今の王も妻はいない。もちろん娘もだ。
そんな王は、この悲劇に焦っていた。
"聖血の継承が途絶えることなく満ちたとき"...そんな日が、我が国に訪れるのかと。
苗字「ではダムル王は、レイスやリンドールに皇族の子を増やさないよう...」
阿部「そう考えるのが自然だね。武力で他国を圧倒していた最強ダムルブルクの弱点。ここを仕留めなければいずれ後手に回るかもしれないという恐怖...。圧倒的軍事国家を貫いた背景には闇深い裏歴史があった、と」
苗字「そんな...そんな嘘みたいな神話、信じるなんて...」
阿部「いや、案外嘘でもないんじゃない?」
苗字「え、」
阿部「だって...噂によれば、聡明なリンドール第一王女には人智を超えた力があったらしいし」
意地悪に試すように名前を見る阿部。
人智を超えた力...名前にも覚えがあった。いや、何を隠そう名前がこうして生き延びているのは亡き姉の"チカラ"のおかげだったと、後から気づいたのだから。
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