ホームズは、恋をしない 07



鞄の横に置いてあるバックの中から、体操着を取り出し、制服を脱いで着替え始める。

大丈夫。見られる心配は皆無だ。(今は授業中だし、窓から見るに、外で授業をしているクラスもないし、誰も此処に来る心配はないから堂々と着替えられる。)

体操着に着替え、制服をバックに詰める。



「「!!」」

美術室に入った途端、驚いた。

ぐちゃぐちゃに荒れた絵。青の水の中に倒れ込む彼女。

彼女には驚かされてばかりだ。

青は沈静。水の冷たさが其のイメージに拍車を掛けて強まった。色に関して感性の強い彼女にとっては、強力な鎮静効果の方法を思い付いたのだろう。







荒々しい作品だね。

普通に駄作って言って良いよ。寧ろ駄『作』ですらない。作品じゃない。八つ当たりの産物だ。

差し詰め、タイトルは『今日の苦悩』って所かな?




いや、ただ、『美』がないと思ってね。



彼女達はアースレッドダブル的な…

どんな人の毒気も抜いてしまう(根元から根こそぎ殺してしまうような)

アンパンマンがバイキンマンを退治するみたいな??(夢一)

此の子は子供染m…可愛い発想をするんですよねぇ(高遠/明智)


パソコンルームで…ネットやってる時、ホームズの検索。

シャーロック・ホームズの説明を見て…



以上が彼のシャーロック・ホームズに見られた一面。


「これって、貴方の事?」

「君は呆れを通り越して感心する程、頭が良く無いな。シャーロック・ホームズの事だって、書いてあるだろ?」

「うん、そーなんだけどサ…」

「明智健吾とも、秀英のホームズとも書いてないだろう」

「率直な私的感想…貴方みたいだね。秀英のホームズさん。だからホームズってあだ名付いたの?」

「さぁね。」

頭が良いとか謎解きの名人だからとかは言われて、それがそうなのかと思っていたが、そんな事で似てると言われたのは初めてだよ。


ャバイョ━━<(ll゚◇゚ll)>━━ッッ!!!!!



え【絵】
※語句のリンク先は大辞林(国語辞書)になります。
類語:
画(が) 図画 絵画 丹青(たんせい)〈の妙を得る〉 彩墨 略画 下絵 点描画 粗描 スケッチ 素描 デッサン 〈小説の〉挿し絵 〈雑誌の〉口絵 イラスト カット 
▽墨絵 水墨画 水彩画 淡彩画 色彩画 日本画 浮世絵(うきよえ) 版画 錦絵(にしきえ) 洋画 油絵 
▽美人画 静物画 山水画 自画像 
▽春画 危な絵 
▽塗り絵 影絵 壁画 





絵に関しては、普段のマイペースさを返上する程にスピーディーで、向上心やチャレンジ精神は、小心者(チキン)を思わせない程、とても勇ましく、貪欲だ。

彼女が今までに描いた絵は、実に幅広い。板や布に描かれた油彩画や水彩画等の洋画風は勿論の事、膠絵具(ディステンパー)を使った日本画や水墨画も、色々と多種多様に描いて居た。

描いた事の有る類型は…風景画、静物画、植物画、動物画、人物画、肖像画、自画像、宗教画、歴史画、戦争画等、様々。



使った事の有る絵具は…油絵具、水彩絵具、パステル、クレヨン、木炭、鉛筆、墨、インク等、色々。

使用した事の有る支持体の素材も…紙、布(特に帆布(キャンバス)、板、石版、鉄板、ガラス、段ボール、食器等の工芸品、建造物などの壁面や天井、諸々(モロモロ)。

手を付けた技法も…油彩、水彩、ガッシュ、ボディーカラー、テンペラ、ディステンパー、合成樹脂塗料、フレスコ、パステル、版画、ドローイング、チョークアート、ペン画、等々。


彼女の絵描きに対しては、大図鑑の様に、分厚い本が何十冊として出来てしまう。

人が自分自身に存在理由や意義を作りったり見出したりするのならば、間違い無く彼女は絵を描く為に生れて来たに違いない。

いや、意義などのこじ付け臭いモノ以前に、其れ以上に、彼女にとっての生命活動は、呼吸では無く、絵を描く事が生命活動などではないか。

そう思わずには居られない程に、圧巻する熱意があった。





彼女と私が…?…いいや、それはない。彼女は…友、人…だ。


一に甘んじてると言った、##NAME3##に自分の心配もしろといった。

はたして、甘んじてるのは、自分の恋を置き去りにしてるのはどちらか

彼らか私か彼女か

僕等は全員、甘んじて居ての平行線ということか。一線を越えない。

奥手で越えられない小賢しい彼。(金田一)

一定の距離を楽しみ保つ道化の彼。(高遠)

控え目故に越える気がない少女。

超える線がまだ出来てない彼女。

では、私は??


今までは、線に気付いて居なかった。


だがしかし、私は気付いてしまった。後一歩踏み出せば、越えられるであろう、足元の線に…。

其の線に気付いてしまった私は、どうするのだろう?どう…したいのだろう?


自分の理想とは、180度違うと言っても良い彼女。

彼女との今の関係に、距離に、心地よさを感じてる自分。

しかし、何処か、ほんの僅かにある好奇心に似た気持ち。(もう少し、彼女の近くに…)


其の線を、避ける事、又は遠ざける事はしない。逃げる理由は何一つとして己の中には存在しない。

しかし、


越えるか、否か。

踏み止まるか、否か。


その二択で、今の自分は悩んで居る。




ホームズは、恋をしない?
(佇(タタズ)む私が出した答えは…)




彼女の楽観性は、二次元ラブから来るものだ。この二次元の住人め







「全く、大の大人が、子供を頼るなんて、馬鹿げてますよね。」


「はぁ」


「大体、只の子供に何が出来ると言うんでしょうね?」


「ふぅん」


「理解し難いですよ」


「ほぉん…あっ色の配合間違った!;」


「聞いてますか?##NAME2##さん」


「聞いてる聞いてる。あっでもこの色はこれで良いかも…」


「全く、相変わらずですね、君は」


「あけっちーは…変わったねぇ。」


「ほぉ…どんな風にですか?」


「子供の頃の観点から見たら…あれだね。在り来たりなあの台詞がピッタリ。」


「在り来たり?」


「うん。」


「どんな台詞です?」


「『ヤな大人になったね。』」


「なっ!?そ、其れはどーいう意味ですか?」



ピクピクとひきつる口元



「其のまんまの意味だよ。」


「だから、」


「まるで、高校時に知り合った、昔の刑事さん達みたい」


「?……高校時と言うと、権藤君と明野谷君の事ですか」


「そう。んで、その金田一?って子が高校生時代のあけっちーって感じだよ。今のそっちの状況」


「金田一君が私?はっ、彼はそんな凄い訳では…」


「あけっちー」


「なんです、さっきから人の話を遮ってばかりで。ちゃんと此方の話を聞き終わってから発言を、」


「じゃぁ、此処から一切、あけっちーの発言権利を一時的に没収するよ」


「なっ何、横暴な事を、」


「喋るな!」


「…………;」


「…久々に、あけっちーが連絡くれたのは嬉しかったです。」



最後に連絡取り合ったのは、仕事で長期期間に亘(ワタ)って、ロスに行く事になった前日だったしね。



「でも、すっかり心が荒んでしまって居るみたいで心配になってます。」



外国での長期期間の間、色々と何やかんやとあったんだろうね。

でも、君は中々、人に気を許す事はしないし、況してや、大抵の事は1人でこなす器用さを持ってる事と、其の事に対するプライドがあるから、他人を頼る事なんて、滅多にしないよね?

どーせ、全〜部、自分で背負い込んじゃって、無理矢理でも、意固地にでも何でもなって、遣りこなして来たんでしょ?



「馬鹿だねぇ、あけっちー。」


「でもね、あけっちー。忘れちゃ、駄目なんだよ。」


人は忘れ往く生き物だとか、20歳過ぎたら脳細胞は死んで行くんだとか言うけどさ…。


「忘れちゃ駄目だよ。」


昔、自分が思った事、感じた事、視えてたモノ、体験し、実感した事。


昔の君も、子供だった。

“出来る”子供だった。

でも、子供だからって馬鹿にされた。

でも君は、大人も子供も平等に捉えて居た。


「大切にしなきゃいけないモノを、手荒に扱っちゃ、駄目。」


子供だからって、自分より劣るからって、君は見下す様な事は絶対しなかった。

そんな君だから、友達が居たし、仲間も居たし、相棒も居た。


「でなきゃ、今みたいに、独りぼっちの状態が続いちゃうよ」


ほら、現に君は今、1人でしょ?

でも、其の金田一君の周りには、“皆”が居るでしょ?



「…##NAME2##さんも、金田一君の味方、と言う事ですか」


「うん。今回はね。」


「でも、私は負けませんよ」


「うん。願ってるよ。あけっちーのピノキオ鼻を圧し折って、初心に帰れる切っ掛けを作ってくれそうな、其の、高校生名探偵、ホームズ君2代目の勝利を。」


「…彼は金田一耕介の2代目だそうですよ。自称。」


「フフ、あけっちーだって、自称や他称でん(笑)正式なホームズではなかったよ」


「……それじゃぁ、また」


「うん。またね。」


「私が無事、此の事件を解決して、一段落したら、また連絡を入れます。」


「うん、分かった。」


「では。」


「待ってる。じゃね。」







プルルルル


「あ、どーだった?」


「………」


「あぁ、負けた?」


「えぇ、まぁ、今回は。」


「やっぱり?良かった。あけっちーが負けて。」



「仕方無いですね。勝利の女神が彼に微笑んでしまっては、ね。」


「あぁ、そっちに居るって言う、人気絶頂のアイドルちゃんの事?」


「いえ………君の事ですよ」


「ふぃ〜ん。何でそうなったか知らないけど、まー良いや。」


「其れで、##NAME2##さん」


「うん?」


「来週の週末、空いてますか?」


「うん?ちょっと待って……空いてるよー。」


「久々に会いませんか?」


「良いよ、何処で遊ぶ?○○美術館?××美術館?△△美術館?」


「美術館しか選択肢が無いんですか?;」


「カラオケでもファミレスでも遊園地とかの娯楽施設でも良いよ。私は絵しか描かないけどね!←(ドンッ)」


「ふぅー(溜息)。相変わらずの中毒者っぷりですね;;」


「フフッ、もちのろん♪」


「まぁ、良いです。追々、連絡します」


「うにゅ、了〜解。」






―― ★ ――






From:##NAME2## ##NAME1##
Sub:(無題)
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やっぱ、遊ぶ場所、変更!
懐かしの場所にしよ!
先行って待ってる!


ヒント:)

あたしがPM07:29分までは、
追い出されずに待つ事が出来る所。


------END------




「ふぅ…やれやれ。」


最初に決めて居た待ち合わせ場所で、待ち合わせ時間を5分オーバーした所に入った、彼女からのメール。

此処で待って居ても、メールでの異論も、彼女は却下するのは目に見えて居る。


「仕方が無いですね。」



溜息をまた、1つ零す。

そうして、彼は、迷わず歩き始める方向を決め、彼女が居るであろう場所に向かって、歩き始めた。


コレだけ親切に場所の在り処を記してくれてあるのだ。考えるまでも無い。



「本当、懐かしい場所ですね。」




初心に帰ろうって訳ですか。












美術室で再会




「そのあけっちーっと言うのは、いい加減、止めて貰えませんか?」


「えー…何急に。」


「歳が30にもになる良い大人が、『〜っち』という呼び名は色々キツイし、無理があるでしょう?」


「ん〜〜〜〜〜…じゃぁ、明さん!」


「何か…何処ぞの登場人物の愛称みたいですが、まぁ、良いでしょう。(あけっちーよりかはマシですし)」


「じゃぁ、あけっt…明さんも変えてね〜」


「私もですか?」


「何時までも肩っ苦しいよ〜。名字に、さん付けは。」


「では、……##NAME1##さん」


「うん♪」



「あっそーだ。肝心な事言ってなかった。」


「何をです?」


「明さん!」


「久し振り!後、御帰り!」


「…プッ、クスクスクス(笑)」


「明さぁ〜ん?返〜事〜は〜?」


「はいはい。御久し振りです。ただいま返りました。」


「うん♪会えて嬉しいよ。」


「私もです。」

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解せぬ花