水浅葱色に還る理 01



彼女は、願望だと言う。






(グリムジョー)「グリムジョー・ジャガージャック。テメーの所有者である俺の名前だ。覚えとけ。」

グリムがアジューカスに成った時、初めて交わせた心と自己紹介の会話に、どうしようもなく、胸が歓喜に打ち震えた。


(ギン)「ハハ、あんま褒め過ぎんと僕、コロッとオチて、まる呑みにしてまうで?僕は蛇やさかい。気に入った奴をまる呑みにしてまうんやから。」

目が綺麗って、本当の事を言っただけで褒めた訳では無いよ。其れに、多分、無理だよ。だって、あたしを食すのは、蛇じゃなくて、豹だから。


(藍染)「私は、君を殺す事が出来る。其れこそ、呼吸をするより、瞬きをする動作より、簡単にね。」

別に構わない。誰に此の身を、魂を殺されたとしても、隔絶された場所に葬られても…心は、想いは、どうやったって、彼の所に還る事が出来るのだから。


(パパ)「どんな事があっても、最終形態の帰刃だけは使うなよ。使えば、大好きな奴の側に居られなく所か、会う事も、触れる事も、見る事すら叶わなくなるぞ。」

其れはちょっと嫌だし、怖い。けど、其れの約束は出来ない。そうなったら寂しいだろうけど、でも、大丈夫。還れるのは確かだから、信じてる。だから、きっと躊躇は無い。





ずっとずっと昔の事…―――。

母親を亡くしてから、間も無い時だった。


何がきっかけだったかは、もう忘れたけど、虚しく殺風景な所に迷い込んだ。

其処で出会ったのは、頭から黒い布状の物をすっぽりと被り、鼻の部分がとがった仮面を付けた、巨大な生き物だった。



迷い込んだ場所が【虚圏(ウェコムンド)】と呼ばれ、巨大な生き物が【最下級大虚(ギリアン)】だと知るのは、大分後の事だった。



何故か大虚(メノスグランデ):最下級大虚(ギリアン)に好かれた私は、持ち上げられて、ぽっかりと空いた穴の部分に入れられた。

『何此処!?VIP席ってか!?』『何気、顔可愛いのに、デカイよ君(達)!!( ; ロ)゚゚』等と、驚きで叫んだのを、今でも良く覚えて居る(笑)。


其れからギリアン達にたらい回しにされる様に孔から孔へと移動させられた。(正確には私を取り合ってたっぽい。)

そうして最終的に、キョトンとした可愛い仮面をして居ない、凶悪そうな仮面をしたギリアンの孔に押し込まれた。



其れが当初、ギリアンであった、グリムジョー・ジャガージャックだった。

グリムジョーは、豹に近い姿となった中級大虚(アジューカス)になっても、人に近い姿となった最上級大虚(ヴァストローデ)になっても、私を放さなかった。



そうして現在、破面・No.6(アランカル・セスタ)/第6十刃(セスタ・エスパーダ)となっても、其れは変わらない。

彼と居た事で、私も其れなりに強くなり、今や彼の従属官(フラシオン)だ。


相手の力をいなす体術と、人差し指のみで放つ虚閃(セロ)が得意。

何故か、斬魄刀が刀で無く、星な為、戦闘では普段、体術と虚閃のみで戦う。



しかし、残念な事に、其れも今となっては使えなくなってしまった。

帰刃(レスレクシオン)に無理強いを強いてしまったせいで、今まで養って来た体術も、セロも、使えなくなってしまった。(正直、アランカルで在る事も危うい状態に陥ってしまった程に。)



「ねぇ、グリム。レスレクシオン所か、体術も、セロも、何もかも使えなくなっちゃったケド、傍に居ても良い?」



何時の間にか、彼の傍に居るのが当たり前になって居た。

何時の間にか、彼の傍に居たいと、強く思う様に成って居た。



(グリムジョー)「腑抜けた事、言ってんじゃねぇ」



其の言葉と共に、頭を殴られた。…何故?

うっそ。本当は、分かってます。

下らない事、聞いて御免なさい。

当たり前の事、聞いてスイマセン。



「グリム」


(グリムジョー)「下らねぇ事言ったら消し飛ばすぞ」



「これからも、末永く宜しくお願いしますね。」



そう言ったら、また殴られた。

うん、大丈夫。照れ隠しだって、ちゃぁんと、分かってる。





ただ、貴方の傍にある星で在りたい。









And that's all・・・?
(それでおしまい・・・?)

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解せぬ花