Pkmn 06
今でも、色鮮やかに…。
洗濯物を干すのにも慣れた頃。
「なぁっ!お前、##NAME1##だろ?」
「そーゆー貴方は…えーと、、、」
「俺はサトシ!!なぁ、俺と…――――」
インディペンデンス
「ミュ、ミュミュミュ、ミュウ!」
「ん?何…してるの?」
父親の手紙を眺めながら、唸る私。
そんな私に声を掛けて来たミュウは、母親の遺留品の1つであるアクセサリースタンドの周りを、グルグルと忙(セワ)しなく回って居た。
余談ではあるが、母親の所持品、元(モト)い、遺留品等は、生前同様の侭に置いてある。仕舞ったり片付けたりは、未だに、して居ない。
別に、『思い出なんて過去の物にしたくない』とか『母親が生きて居た時の侭にして置きたい』とかの、素敵心からでは、決して無い。
只単に面倒臭いだけ。(だって、日常の掃除だけでも嫌々面倒なのに、更に整理なんて…年末の大掃除でも、やりたくはないよ、私は。)
ピアスやピン、ヘアゴムやコサージュ等、色取り取りの華やかなアクセサリーが、最低2点以上も掛けられて居るアクセサリースタンド。
其の中で唯1つ。其の中で、たった1点だけしか存在していない、唯一のネックレス。其れを、一頻り回って居たミュウが手に取り、此方に持って来て、私の目の前に掲げた。
ふよふよん、と浮かんでるミュウに依って、見せつけられて居る其れは、生前、母が、文字通り、肌身離さず、身に付けて居た物だった。
他のアクセサリーは、気分に因ってコロコロと変えてた癖に、其れだけは変えた事も外した時も無かった。況してや、ネックレスだけは、他の物を買うなんて事をしなかった。
「(そうだ、母親自身の誕生石が、ぶら下がって居るだけのシンプルな、、、………ん?)」
「ミュウ!」
私の思い当たりを先回りした様に、机に置かれて居た母親の遺骨が入ったペンダントを、空いてるもう片方の手で取って、同じ様に突き出して来るミュウ。
「あぁ、成程。」
2つのネックレスを視界に収めて、確信する。
この2つの首飾りは、遺骨ペンダントだ。其れも、≪ペア≫の。
ペアとは、2つで一揃いとなる物。2人または2個で一組になっている物。
ペアネックレス、ペアリング…恋仲のカップルが、お揃いで身に付けるアクセサリー。
母親の遺骨を納めて居る誕生石は、確か、父親の誕生石だ。
対して、母親の誕生石には、まだ何も納められては居ない。
「(我ながら、乙女思考と言うか、頭が冴えて居ると言うか…)」
死しても、私は貴方と共に、貴方は私と共に。
「ねぇ、ミュウ」
「ミュ?」
「聞いてくれるかい?別に聞きたくなかったら只の独り言になるだけだから、どっちでも良いけど。」
「ミュウ」
分かったとでも言う様に、首をコクリと縦に振るミュウを見て、口を開く。
「ギブアンドテイク。其れが1番、私の好きな言葉でもあり、信条なんだよね。」
【Give and Take】
協調。互譲。妥協。相互扶助。...etc.
相手に利益を与え、自分も相手から利益を得ること。
「だって素晴らしくない?両者共に“ハッピー”になるって事なんだよ。だから…――――ね?」
And that's all…?
(それでおしまい…?)
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解せぬ花