イカレ女記者役の夢主ver.(MHA:敵連合夢) 05




(side死柄木寄り)





 女の私有地には山が含まれている。 そこへ籠って体力や個性の底上げをするのは、数年前から荼毘、死柄木の日課となっていた。

「……休憩するか? リーダー」

 岩に腰掛けた死柄木に荼毘はからかいまじりに言う。水筒を頭上でひっくり返した彼だが、被った水は熱気を含んだ体に触れる前に蒸発してしまった。

「…トゥワイス、トガ、スピナー。……ヴィラン連合の連中が集まってやがる。後はコンプレスとマグネ、黒霧が入ればコンプリートだな」
「……」

 スピナーは死柄木が、トゥワイスは荼毘が、渡我はトゥワイスが動いたことで家に加わった。女記者の介入があったとも言えなくもないが、この要素だけであの女を「怪しい」と決めつけるのは早急。というかあの新聞馬鹿にそんなことを考える脳みそはないはずである。

「仮に、ここを二週目、前を一週目とすると、そもそも現時点で一週目とかけ離れすぎてる」
「だから?」
「…その前に、荼毘、お前の目的を言え」

 死柄木が荼毘を睨みつける。荼毘は飄々としている。

「ねえよ。一週目で全部遂げた」

 目を見開いた死柄木だったが、次の瞬間には瞼を軽く下ろした。

「……良かったな」
「どうも。で、お前は?」
「先生を殺す」
「スピナー入れる前から思ってたが、一週目と随分違うじゃねえか」

 肩を竦めた荼毘に死柄木は自身の手のひらを見る。話すべきか。けれど、先生ーーAFOへの恨みを語るということは、自身の生い立ちを打ち明けるということだ。

 ーーまあ、いいか。

 自分でも意外なほどあっさりと答えが出た。そもそも、一週目でも死後に死柄木の人生が報道されただろうし、今更一人に話したところで、関心はない。荼毘を見やる。話したいなら話せば? とでも言いたげな態度にイラついた。

「…そもそも俺は、先生に作られた存在だった」

 話出した死柄木か、その話の内容か、どちらに驚いたのかは知らないが、荼毘は片眉を持ち上げた。快晴の中、朝日が上へと登っていく。過去を話し終えると、荼毘はまた笑った。

「なんだ、そっちもデケエもん抱えてんじゃねえか!」

 どこがツボだったのかは謎だが、荼毘は腹を抱えて爆笑した。二週目だからか、よく笑う。

「それで? リーダーはAFOを殺してえんだっけ?」
「そうだ。だから力を貸せ」
「いいぜ乗ってやるよ。やることねーし暇だったんだ」

 笑い終えたのか息を落ち着かせ、荼毘が言う。死柄木は横目で彼を見やった後、膝に手をつきゆっくりと立ち上がった。

「先生はとにかく警戒心が強い。俺が一週目の記憶を持っていると分かった時点で、見切りをつけて次に行く。だから、先生が弱体化するまでは、俺はなるべく一週目と同じルートを辿る」
「弱体化ってえと……ここか」

 今いるここ神野で起こる、事後「神野事件」と謳われる出来事だ。雄英の林間合宿を襲撃した死柄木たちが爆豪勝己を攫い、日も跨がないうちにやってきたヒーロー共に打ちのめされ、AFOが出張ることとなった。オールマイトの事実上の引退試合であり、AFOが弱体化する唯一の機会。

「スピナーたちは参加させずに、濃霧と他の雑魚キャラを使って襲撃する。何、あの時みたいにヒーローを舐めてかかるつもりはない。先生に気づかれないギリギリの範囲を狙ってやる」

 猫背のまま、彼はニヤリと口角を持ち上げた。




「今度は油断しないぜ? 先生」





蛇足

女記者(本作主人公)
来る者拒まず去る者追わず
この度家に五人の住民が入った。死柄木と荼毘に声をかけていなかった未来では、強盗殺人にあって死んでいた人。法律ギリギリの取材をする女
名前は特に決まってない




死柄木弔(志村転弧)
人生二周目。ヴィラン連合だった奴らのヒーローになりたい。先生はぶっ◯す
主人公への恋愛感情・友情は今のところない




荼毘(轟燈矢)
人生二周目。燃え尽き症候群中。飄々としているのは相変わらず
主人公への恋愛感情・仲間意識は今のところない



スピナー(伊口秀一)
死柄木に救われた人
主人公は居場所をくれた恩人ではあるものの、ブリッジしてカサカサ去っていくので普通に引いた。気さくな人外か何かだと思っている



トゥワイス(分倍河原仁)
荼毘経由で主人公に救われた人。家政婦
主人公は自分をこの場所に導いてくれた恩人だが、彼女の奇行や大人気のなさに毎度頭を抱えている



トガヒミコ(渡我被身子)
入居が決まったJC
主人公は保護者であり、分倍河原とともに自分の「好き」を受け入れてくれた大人

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解せぬ花