「話せる範囲なら何でも話すわ。まず何から聞きたい?」


作戦会議を開く事になった俺達は、談話室に人払いの呪文をかけた後、暖炉前のソファを陣取った。
エバンズの問いに真っ先に答えたのはジェームズだった。


「あっじゃあ僕から!エバンズとアスターはどこで出会ったの?」

「えーっと、いつだったかしら…あっ、最初に出会ったのは公園ね。小さい時にセブと遊んでいたら、大きな犬に襲われている子が居たから2人で魔法を使って助けたの。その子がイヴだったのよ」

「へえ、凄い出会いだね!今のアスターとは違う姿だった?」

「いいえ、初めて会った時からあんな感じだったわ。全身包帯ぐるぐる巻きで、右目だけ黒い眼帯を付けて」

「その理由って分かるか?」

「…ええ。あの子、産まれてすぐに孤児院のドアの前に置かれていたらしいのだけど、その孤児院ってイヴが今居る孤児院とは別の場所なの。所謂、マグルの孤児院ね。そこで魔法を使った事で化け物扱いされて暴力を振るわれていたらしいわ」

「それが魔法界に伝わって、すぐにスピナーズエンドにある魔法使い・魔女の孤児専用孤児院に移されたみたいね。でも虐待を受けたのがトラウマみたいで。今はもう怪我の跡も薄くなっているけど、家族と私達以外から触れられるのを極端に嫌がって、肌が触れないよう包帯を巻いてるんですって。眼帯の理由は分からないわ。私でも教えてもらえなかったの」


あのイヴにそんな過去があったなんて。「気づいてたか?」とジェームズに聞くと、ジェームズは首を左右に振って「全然」と答えた。


「じゃあアスターが変な言葉遣いなのも、幼少期のトラウマが原因なの?」

「いえ、あれは完全にイヴの趣味よ」

「そ、そうなんだ」


沈黙が走る。俺が1年生の時のクリスマス休暇、イヴの調子が悪くなったのは俺があいつに触れたからだ。クソ、1年目から地雷踏んでたんじゃねえか。


「あのね、ブラックに提案があるの」

「提案?」

「貴方、今年はポッターの家に泊まるんでしょ?だったら、休暇中にイヴの孤児院に遊びに行ってきたら?」

「は、はぁぁぁ!?俺が厨二病女の家に!?」

「あっ厨二病女に戻っちゃった」

「ええ、そうよ!」


紙とペンを取り出したエバンズが、紙にサラサラと何かを書いて俺の前に突き出した。


「これは…」

「イヴの住所!」


頑張ってね、良い報告期待しているわ!と笑うエバンズを見て、やっぱりこいつ俺がイヴの事泣かせた事忘れてんじゃねえの、と思った。
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