12.大事な話ってのは大抵ろくな話じゃない
ホグワーツ入学を翌日に控えた8月31日の夜、私は地下室に呼び出されていた。
コンコン、と重厚な作りの扉をノックして「失礼しまーす」と呟きながら中へ入る。
マグル製品がびっちりと積み上げられた中心で、真面目な顔をした両親がソファーに座っていた。
「えっと、話とは…」
「とりあえず、そこの椅子に座りなさい」
「はぁい」
両親の向かい側に置かれた小さな椅子に腰掛け、彼らと向かい合う。一体何が始まるんだ?
「明日はホグワーツ入学の日だが、入りたいと思う寮はあるかい?」
話を切り出したのはお父様だった。
わざわざそんな事を聞く為に地下室へ呼び出したのか?と思ったが、あまりに2人が真剣な顔をしているのでそんな事は聞けなかった。
「ええと、ホグワーツ側が決めてくれるものだと思っていたから特に希望は無いよ」
組み分け帽子の存在を一人っ子である私が知っているのはおかしいので、存在を伏せながら彼に選んでもらうつもりだった旨を伝える。
安心したようにホッと息を吐いたお父様と、対照的に顔が暗くなったお母様の様子に首を傾げた。
どうも様子がおかしい。
「リーザ」
名前を呼ばれて反射的に「はい」と返事をしてしまう。
とてつもなく嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
「リーザに、お願いがあるんだ」
ごくり、と唾を飲み込む音がやけに耳に残った。
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