Her memoirs

はじめはまた、物語を紡がなければならないのかと落ち込んでいたの。絶え間なく流れていく時間から弾かれ、外と隔絶された白い世界。でも、あの日あの時あの場所で、奇跡のように貴方に出逢えたから。また物語を、優しいお話を紡ごうって思えたの。貴方が読んで、しあわせになれるようなセカイを紡ごうって、神さまの真似事をするように。

あぁ、そろそろ彼にお返事を書かなくちゃ。彼が贈ってくれた手紙に、ささやかな物語を描こう。そうすればそれは青葉に絡まって、彼の元に届くから。

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