Memento mori

死を記憶せよ。

自分の前に立つ、白い少女から発せられた言葉に心臓がどくりと波打つ。その言葉がトリガーの役目を担っていたかのように、膨大な量の記憶の洪水が記憶の蓋を押し開け流れだした。

「思い出した?」

少女が魅惑的な微笑みを浮かべて小首を傾げる。それに、その、言葉に。

「――…あぁ。“思い出せた”よ」

やっと、この場所に還ってこられた。そう言えば、彼女は澄んだ深い色の瞳を細めて、そして――……

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