129a...

「そんなの、お前の口から聞いたらもう帰せるわけないだろ」

 さすがに降谷のその一言を聞いたら、なまえはもうどこにも逃げ出せそうになかった。恋愛経験が人一倍未熟な彼女にとって、先日別れたばかりの赤井秀一以外に、まともにこのような甘い空気を伴った経験はない。かつて降谷が身分を偽っていた私立探偵・安室透とは確かに一度だけキスを交わしたこともあったが、そうして彼が別人を名乗っていたときとは、またわけが違うのだ。目の前で苦しそうに眉根を寄せて迫ってくる彼が、高校時代から長年ずっと一緒にいた降谷零であるからこそ、なまえはそのギャップに早くもついていけそうにない。友達という枠組から今さら少しでもはみ出してしまうことが、とてつもなく恥ずかしいのである。

 ましてや自分たちは「好きだ」と互いに確認し合ったわけではないし、恋人同士になったわけでもなかった。ただ、本能で彼に魅かれている部分があることはなまえも認めていて、それは降谷の方も同じなのだと思う。いや、彼の場合は、おそらくもう十年以上も前から。その想いは未だにきちんと聞いたことがないのでなまえには割と半信半疑なのだが、それでも今の彼の態度を見ていれば、少しだけ、頷いてあげてもいい。

 でも、それにしたってこの状況はあまりにも早急すぎるものであった。降谷は堪え切れない衝動を一切隠さずに、なまえの熱くてやわらかい頬に自分の頬を擦り寄せる。そして、安堵のような、呆れのような。彼がついたため息がくすぐったくも耳にかかって、それがとても求められているような印象を受けたから、なまえの困惑はいっそう増してしまった。零って、こんな感じだったっけ。なんだか全力でぶつけられる感情がどうしようもなくドキドキして、正直、参る。

 高校生のときに初めて出会ってからもう十年以上が経って、自分たちはいつの間にか十分すぎるほど大人になってしまっていた。だから、降谷がそういう意味で、なまえとの充足的な「繋がり」を求めているということは、いくら恋愛に臆病な彼女であってもさすがに理解には足る。赤井とすらもその経験はないが、このままなし崩し的に車の中で抱かれてしまうのではないだろうか、とも思えて。急に途方もなく焦り始めた理由は、自分が一番よくわかっていた。世界で最も幸せにしてくれる赤井との別れを選んでまで降谷と一緒にいることを選んだなまえには、もしその要望を彼の口から発せられたら、もう絶対に断ることができないとわかっているから。たとえ、きちんと「好きだ」という言葉を彼の声で聞いたことがないとしても。

 だから、彼女が精々できるのは。精一杯の抵抗みたいな、弱々しい制止だった。


「んっ、れ、零……待、って……?」
「もう待てない」
「だ、めっ……」
「駄目じゃない」


 しかし、当然とも言うべきか。抵抗と侵食の、一進一退の繰り返し。そんないたちごっこのような押し問答があった後、いよいよなまえの足掻きも虚しく、再び仕切り直しのようなキスを迫られそうになれば。唇が触れ合うまであと数センチというギリギリのところで、車内には突然、彼らの甘い空気をぶち壊しにする爆音の着信音がなまえの携帯電話から流れ出したのである。

 なまえはとっさに思う。神様からの助けだ、と。

 彼女はそう思うや否や、わずかに隙ができた降谷の肩をぐいぐいと押して運転席の方になんとか戻した。そして、赤くなった顔を必死で手のひらで覆い、その熱を逃がしながら、もう片方の手で鞄の中を探り出す。その口は、これを機に何としても降谷を説得しようと必死であった。


「で、電話! 職場からだったら困る!」


 監察医という職業柄、変死体が見つかれば警察の要求によっては急行しなければならない場合もある。特に、目暮をはじめとした捜査一課の面々には非常に懇意にしてもらっているので、急遽、名指しで解剖を頼まれることも少なくない。

 零だったらわかるでしょう? と、まるで母親のような口調で諭すみたいにそう言えば、彼は圧倒的に渋々な態度ながらも、一旦は大人しく引き下がってくれた。彼自身、公安とはいえ一応、警察関係者。自分がもし同じ立場であったなら、職場からの電話なら迷わず出ると判断したのだろう。なまえは彼の、その正義感溢れる精神を見越して付け入ったのである。

 一方の降谷は、なまえが懸命に携帯電話を探している様子を、とてつもなく拗ねたような顔をして見つめ続けていた。でもまあ、仕事なら仕方ないと諦めて。そのまま彼女が職場に向かわなければならないような、緊急を要する事件がこの東京で起こっていないことを今は心の底から祈るばかりである。せっかく作り出したいいムードを壊されたことは恨みたくもなるが、電話が終わったらもう一度、どうしても今日はチャンスを見計らいたい。まさしく「待て」状態の犬のような気持ちで、彼は健気にも電話が済むのを待っていた。

 しかし、その相手は彼女の職場でも何でもなかった。なまえは表示された画面を一瞥し、誰からの着信かを見た瞬間、平然と相手の名を口にしたのである。


「……あ、昴くんだ」


 それを聞いた瞬間、さすがに降谷の思考が止まった。そして、数秒後。彼はらしくもない大声で素っ頓狂な声を上げるのである。


「はあ!?」


 なんで、あの大学院生からなまえに電話が。今しがた「別れた」という話を彼女の口から直接聞いたばかりのはずなのに。なんで。そんな言葉にもできないほどの衝撃を受けていれば、なまえは何を思ったか、降谷に構うこともなく目の前で堂々とその着信を取り、耳に当てて通話をし始める。しかもその会話は、人気のない路地に停められた車内であったために、聞きたくもない声まで鮮明に降谷の耳に飛び込んでくるから、彼の苛立ちはさらに極限まで達するのであった。


「もしもし? 昴くん?」
「ああ、なまえさんですか? 今日は博士が開発した新型の圧力鍋でビーフストロガノフを作ってみたのですが、随分と帰りが遅いようなので心配で」
「あ、ごめんね……」
「何時頃お帰りになりますか? 久しぶりにあなたと一緒に食事を楽しみたいなと思って待っているんですが」


 久しぶりに聞く沖矢昴の明るい声に、なまえは内心「しまった」と思っていた。そういえば、赤井と別れてからしばらく疎遠であったために、ここのところ食事が用意されていないことに慣れきっていたのである。そのせいで、彼に今日の夕食が必要ないことを出勤前に告げるのを忘れていた。今朝はいつも通りのコーヒー習慣を久しく彼と一緒に楽しめたことがあまりにも感動的で、つい。

 なまえは若干申し訳なく思いながらも、運転席から猛烈な睨みとプレッシャーを効かせる降谷を横目に、どうしよう、と狼狽える。もし、この電話が何事もなく終わってしまえば、隣にいる彼は先ほどの続きをする気満々だろうと思えて、さすがに気まずい。もちろん、降谷とそういう行為をするのが嫌と言うよりは、なまえ自身の心の準備がまったく伴っていなさすぎて「今は無理」としか思えないのである。だが、それを正直に告げたところで、彼が聞き入れてくれるとは思えない。

 故になまえは、電話口で楽しそうにしている相棒。沖矢昴こと赤井秀一を頼りにして、こう返事をするのである。


「い、今からお帰りです……」
「はあっ!? おい! なまえっ!」
「そうですか! では、いつものお揃いのプレートを出しておくので、帰ってきたら一緒に食べましょうね。ユルリックマ、でしたっけ。また同じコンビニでこのキャラクターのキャンペーンをやるそうですよ? 今度はマグカップらしいのでまたお揃いが増えるのが楽しみですね、なまえさん?」
「あ、うん……」
「では、帰り道に気をつけて。狼には食べられませんように」


 そう言って、プツリと何事もなかったかのように切れた電話。にしても、昴くん。というか、秀一。なんだか今日、ものすごく饒舌だったような。機嫌がいいみたいに聞こえたけど、何かいいことでもあったのだろうか。そう思ってなまえが首を傾げていると、隣からわざとらしい大きな咳払いが聞こえてくる。あ、と思い出したようにそちらを振り向けば、そこには鬼の形相をした降谷がなまえのことを鋭く睨んでいたのであった。


「なまえ、お前……」
「えっ」


 すると降谷は突然、未だになまえの手に握り締められていた彼女の携帯電話を奪って、何かを確認するみたいに勝手に操作をし始めた。そのあまりの行動に驚いて、なまえは困惑の大声を上げる。見られてやましいものなど何もないが、さすがにいい気持ちはしない。


「なっ、何してるの!?」
「盗聴の類はナシか。だとすると本当に勘で……?」


 そうひとりごちる降谷の手から、なまえは再びそれを奪い返す。


「当然でしょ! 昴くんのこと何だと思ってるの!?」
「限りなく怪しい大学院生。……っていうか、なんで別れたのにまだ一緒に暮らしてて、のんきにお揃いの皿でビーフストロガノフなんていう、あいつの小洒落た手料理食べることにしてるんだよ!」
「仕方ないじゃない。昴くん、他に住むところないんだから」
「あり得ない! 絶対、駄目!」
「駄目じゃない!」
「駄目なものは駄目!」


 睨み合ったまま、ふたりは沈黙する。しかし、降谷に一喝されたところで、なまえの気はまったくと言っていいほど折れなかった。いやむしろ、折ってなるものかと気ごと強く持ち直して、彼をいっそう鋭く睨みつける始末。そしてこう思うのだ。

 これは、いつかの宣戦布告のお返しだからね、零。こちらには君を黙らせるとっておきの言葉があるんだから、と。

 そもそも降谷に沖矢と別れたことを告げたのは、別れてもなお彼との同居を続けると宣言したかったからだった。その話の途中で降谷が勝手に期待して強引になまえに迫ってしまったわけだが、今の沖矢からの連絡で、その話をする手間が省けたと言っていいだろう。故に、あとはもう一言。散々人を振り回すのが好きな降谷をぎゃふんと言わしめるだけなのである。

 なまえは心を鬼にして、ぴしゃりと彼に言い放つ。あの日、優作から受けた助言を、忠実に守るかのように。


「嘘をついて振り回すような人に私は指図されません」
「……」


 すると途端に降谷は言葉に詰まり、それ以上何も言ってこなくなった。ただしばらく沈黙して、物言いたげになまえのことをジト目で見つめるだけ。さすがにその様子を見ていたら、黙らせることを望んでいたとはいえ、あまりにも先ほどの威勢とはかけ離れすぎていて。少しだけ言いすぎたかもな、と本来の優しい彼女の心に戻って罪悪感を募らせてしまい、振り回す側になるはずだったなまえは、思わず彼の機嫌を伺ってしまうのであった。


「零……? えっと、怒った……?」


 しかし、降谷は静かに首を振る。


「……怒ってないよ。ただ、その通りだなと思って悔しいだけ」


 彼は愛想なくそう言うと、どうやら頭が冷えたらしく、きちんと席に座り直して外していたシートベルトを再び着用した。そしてギアを入れて車を発進させるのである。ものすごく、恐ろしいほど静かに。

 怒ってない。そう言いつつも、本当は少しだけ怒っていた。でもそれはなまえに対してではなく、別れた今でもなまえとの仲睦まじい生活ぶりが健在であることを会話だけで誇示してきた、あの男へのすさまじい嫉妬のせいである。沖矢昴。降谷にとって、赤井に次ぐ、ふたり目の殺したい男になるかもしれない。いや、彼がもし本当に赤井だったら、僕はありとあらゆる方法で、この愛すべき日本という国から奴を抹殺する。

 一方、助手席のなまえは、無言のまま沸々とした怒りに燃える降谷の横顔を見て少しの気まずさを覚えていた。しかし、段々なんだかどうでもよく思えてきて。思わずその肩を小刻みに揺らし始めるのである。それが一瞬、降谷の視界には泣いているのではないかと思えたが、むしろ彼女は、その逆の顔をしていた。

 なまえは笑っていたのだ。くつくつ、と。まるでいたずらをした後の子どもみたいに。

 そんな彼女の表情を見ていたら、同じく降谷も、なんだかすべてが馬鹿馬鹿しく思えてしまうのであった。そして、相変わらずムカつくくらい可愛いな、と思う。この先、何年経っても。何十年経っても。なまえは降谷にとって永遠に特別な、ただのひとりの女の子だ。

 これからは、ずっと傍で彼女の笑顔を見ていきたい。ようやく、もう何のしがらみがなくなったから。


「……なあ、なまえ」
「ん?」
「もう嘘ついたりしないからさ」


 すると、彼は運転に集中しながらもなまえの方に手を伸ばす。そして、彼女の手を捕まえるとぎゅっと強く握りしめて。いつかのあの日、絡めることができなかった指を、惜しげもなく愛しさを込めて甘く絡ませた。


「次は降谷零として、僕とちゃんとしたデートをしてくれないか」


 もちろん、スマホの電源は切ってさ。そういうユーモアを織り交ぜながらの誘いには、正直、なまえも再びドキドキした。

 降谷の胸のうちはもう決まっていた。次に会ったとき、絶対に告白する。もう迷うもんか。



case129a. もう二度と迷わない


「すっごーい! 運命みたいなお話だね!」
「でしょー?」

 クリスマス商戦まっただ中の街中。内装もいつもよりはきらびやかに装飾された喫茶ポアロで、梓が得意げになって安室となまえの話を鼻息荒く聞かせるから、歩美・光彦・元太の三人は何度も揃って感嘆の声を上げなければならなかった。最初ここに来たときは、明日、博士の誘いで米花デパートに行くという話で持ちきりだったはずなのに、いつの間にか、その話題ごと店員の梓に乗っ取られてしまった、というわけである。

 一応ながら説明しておくと、なまえと降谷が雨の中で再会できたのは、小五郎と梓による功労が最も大きいことは事実であった。そのため、降谷改め安室は、次のシフトのときには、それはもう彼女に聞かれるがまま。根掘り葉掘りとなまえとの経緯を梓に話さねばならなかったのである。さすがにすべて本当のことを言ってしまうわけにはいかなかったが、実はなまえとは高校時代からの友人で、長年想いを寄せ続けていた恋しい片想いの相手なのだと正直に話しただけで、梓は感涙でもするように手で口元を覆って「運命!」と大声で叫ぶと、まるで尊いものを眺めるみたいな目つきでしばらくは安室のことを見つめていた。そして、そんな素敵な話を聞いてしまった以上は、顔見知りの常連客たちに話したくてうずうずしてしまうらしく。それ故に今日も、たとえ子どもとはいえ、安室やなまえとも顔見知りである少年探偵団の話題をわざわざ掻っ攫ってまで、彼女はふたりの話を披露していたのであった。

 終いには「ふたりは私の推しカップルなのよ!」という俗っぽい発言まで梓の口から子どもたちに向けて飛び出すので、皿を洗いながらそれを聞いていた安室は、さすがにちょっとだけ赤面した。とはいえ、今まで誰にも応援されない、苦しい恋をしてきたからなおさら。思わず隠れてにやけてしまうくらいには嬉しい。

 一見すれば、そんなにベラベラと自分たちの身の上話をされることを、安室は好ましく思わないのではないかと思ってしまうことだろう。しかし、その実態は、むしろこの場合に限っては逆だったのである。安室は特に少年探偵団であるからこそ、梓にその話を大々的にして欲しかった。なぜなら、その中に是非とも聞いて欲しいと思っていた人物がいたからである。

 当然、聞かせたかったのは彼らの中で最も謎が多く、大人びた雰囲気さえ持ち合わせる眼鏡をかけた小学生。江戸川コナン。その実態はわからないが、何かとなまえとも所縁があるらしい彼に先日の工藤邸での意趣返しも込めて、彼女との愛しい馴れ初め話をどうしても聞かせてあげたかったのであった。


「なまえおねえさん、昴おにいさんとお別れしちゃったってコナンくんから聞いてたから、歩美、すっごく心配してたんだー!」
「あのねえちゃん、おみくじ凶だったしな」
「昴さんに振られるなんてよっぽどのことがあったんだろうって、僕達も二人の仲を心配していたんです」
「でも、実際は安室さんの勝利ってことね」


 梓ははっきりと「勝利」という言葉を用いてそう言った。しかし、その瞬間。ジロリといかにも威圧的な視線を向けるのが、ご存知の通りの名探偵。小さな彼は至極面白くなさそうな顔つきで、オレンジジュースのストローを噛み咥えている。

 正真正銘なまえの弟でもある彼のその顔には「まだ勝利って決まったわけじゃねえし」と、諦め悪くも書いてあったのだった。その様子を見て、愛好するビッグ大阪の帽子を安室避けのために目深に被った灰原が隣でくすくすと笑っている。彼女的にはなまえが結果的に幸せであれば、誰とどんな恋をしようが祝福するスタンスであるらしい。


「それで! 安室さんはなまえさんにその後、告白したんですか?」


 子どもながら光彦の鋭い質問は、梓へと言うよりは、厨房で皿を洗いながら黙ってこの話を聞き続けている安室の方へと向けられていた。そこでようやく金髪碧眼の王子様のような風体をした彼が、照れくさそうに口を開くのである。


「いやあ、それはまだ……」
「えっ!? 安室のにいちゃんまだ告ってねえーのかよ。ダッセー!」
「昴おにいさんはもっと素直に言ってたよ?」
「買い物に行ったときもペアルックでしたもんね!」


 無垢であるからこそ恐ろしい三人の攻撃が、突如として、安室の身に襲いかかる。その会話を聞いていたコナンは若干性悪ながら「いいぞいいぞ」と内心で声援を送っていた。はっきり言って、彼にとって安室となまえが近づくことは、未だに避けることができるのであれば回避したい事項なのである。なぜなら、安室透という人物は、公安の職務を優先させるためとはいえ大事な姉を泣かせる男なのだから。


「にしてもよォ。今日のコナン、なんかいつもよりツンツンしてねえか?」
「本当ですね。何かあったんですか?」
「いやあ、別にィ? でも、なまえ姉ちゃんの相手だったら、もっと嘘つかなくて誠実な人がいいなーって思っただけ」
「えっ! 安室さんって、嘘つきさんなの?」


 コナンの言葉に反応するかのように、歩美が純粋にも驚いたような短い声を上げた。しかし、安室はそんな刺々しい言葉をもろともしていない。

 なぜなら彼の目には、梓が言う通りの「勝利」しかもう見えていないからだ。


「悪いね、コナンくん。僕が嘘つきで」
「え……?」
「でも、もう嘘はつかないよ。彼女には、ね?」


 安室はそう言うと、水を止めてエプロンを外す。それから満面の笑みで言うのだ。


「これからなまえと、デートなんだ」


 じゃあ、梓さん。後よろしく頼みます。そう言うと、梓も笑顔で送り出す。あの野郎……、と急に堂々と姉を呼び捨てするようになった彼が癪に障るコナンであったが、再び灰原がくすりと笑ったことでそのイライラは彼女の方に飛び火した。

「お生憎様ね、シスコン探偵さん?」
「……うるせえ」

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