ひとつ

僕はうさぎを抱き抱えて家に帰った。
いつになく気分がいい。

簡単な仕事ではあったが多少動いて汗もかいたのでシャワーを浴びたかった。

そういえばうさぎはシャワー浴びるのだろうか。
窓ガラスを割ったからかうさぎは多少汚れ、傷がついていた。
洗わないとなあとじっとみていると「なあに?」とうさぎも僕を見つめてきた。

そういえば喋れるんだった、直接聞けばいい♤
「僕シャワーあびるけど君はどうする?」

うさぎはうーんと悩んだようだが自分の体をみて「はいる。」と返事をした。

シャワー室まで連れていき、先にうさぎを洗おうとシャワーをかけようとしたらうさぎがボンっと音を立てて幼い少女に変わった。

うさぎの時とおなじ薄いベージュの髪に、薄桃色の頬に唇、天使のような姿に釘付けになる。

「私、じぶんでできる」と話した。

あぁ、とてもいい♢

「しゃんぷーどれ?」
「これだよ♡」
指差し、手に出してあげる。
世話なんて焼いたことないが、焼きたくなった。

一生懸命に頭を洗っているうさぎを眺めていると今まで感じたことない気持ちが込み上げてくる。
たまらない...可愛い♤
自然と頬がにやける。
僕にもこんな人間らしい気持ちがあったのだと自分ながらに感心する。

背中がうまく届かないのか一生懸命手を伸ばしている。

「僕がやってあげる♡」
タオルで軽く擦ってやると気持ちよさそうに大人しくしていた。

全身洗い終わったので流してあげる。

そして少女をかかえ浴槽にいれる。

「僕が洗い終わるまでそこで待ってて」
少女はこくりと頷く。

お湯の中で少女はブクブクと沈んだりして遊んでいた。

その様子をみてヒソカは、今度ヒヨコのおもちゃでも買ってみようかとニヤニヤしていた。