con brio #08 before


「お疲れ〜」
「あら、鹿矢ちゃん。お疲れ様」
「お、今日は勢揃いだね。はい差し入れ」
「ありがと。まぁ凛月ちゃんはいつもの通りなんだけど。……ウフフ。この子がね?」
「この子って、……あっなるほど」
「鳴上先輩。そちらの方、女性のようですが……普通科の方でしょうか?」
「普通科の子は入って来れないわよォ。司ちゃんには言ってなかったかしら?アイドル科には『広報準備室』っていうのがあるの。一人しかいないけどねェ?それが彼女」
「どうも、三年の妻瀬鹿矢です。ええと、あなたが瀬名の言ってた“新入り”くん?」
「は、はい!紹介が遅れました。私は朱桜司と申します。よろしくお願いします、妻瀬先輩」
「うん、よろしくね」
「聞いてよ鹿矢、ス〜ちゃんってばきちんと課題曲をこなしてあのセッちゃんを認めさせたみたい。面白い子が入ってきたよねぇ」
「おはよう凛月。じゃあ、ようやくこれ提出できるね」
「あぁっ!それは私の加入申請書……!でもなぜ妻瀬先輩が……?」
「何を隠そう、鹿矢はセッちゃんの『秘書』なのだ」
「違うけど?!」
「ちょっとぉ……外まで声漏れてるんだけど?『Knights』はいつからお喋りユニットになったのかなぁ?」
「瀬名」
「瀬名先輩!」
「レッスンするんでしょ、時間は有限なんだから……ほら、ストレッチ始めるよぉ」
「はいはい。鹿矢ちゃん、音の準備お願いしていいかしら」
「うん、そのために来たしね」
「ええと……凛月先輩は『秘書』と仰っていましたけど、妻瀬先輩は『Knights』のManagerなのでしょうか……?」
「違うよ。他のユニットよりは贔屓しちゃってるけどね。どちらかというとお手伝いさんってかんじかな……」
「お手伝いさん……なるほど、Housekeeperというわけですね!」
「うん……?なんか違う気もするけど……?」
「……かさく〜ん?」
「ひっ!すみません、瀬名先輩!」
「妻瀬も、あんまり甘やかさないでよねぇ」
「大人しく準備しまーす」






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