「宴だァ!!!」
船内の案内を一通り終え、甲板に戻るとそれは既に準備されていた。ナマエは何事だと目を丸くするも、船長の次の発言で理解した。
「ナマエも仲間になったことだし!」
ちょっと待て。何故そうなっている。
ぐぐっと眉間に皺を寄せると、ルフィにつかつかと歩み寄り彼の鼻を思い切り掴んだ。
「ちょっとルフィさん!私、仲間にはなれないと言いましたよね?魚人島へと送ってくれと!」
「目的地同じだしそのまま一緒に冒険しよう!」
「私にもやることがあるんですっ」
鼻を思い切り引っ張り、バチンと離した。ゴムだから痛くはないだろうが、傍から見たらなんだか痛みを伴いそうなそれに他の船員は苦笑いだ。
「なんでダメなんだよ〜いいじゃねぇか!」
「ダメなものはダメです!」
そのままルフィは不貞腐れた様子で用意されていた肉にかぶりついていた。その様子に溜息を吐く。なんでそこまでこだわるのか。私といてもいいことないのに。するとナミが近寄ってきた。
「ナマエ、ルフィのあれはいつものことだから気にしないで。とりあえずせっかくなんだし食べましょ?」
「ありがとうございます、ナミさん」
ナマエもそれに苦笑いをこぼし、いただきますと呟くと、サンジが用意してくれたであろう料理を食べる。
「んん!??うまっ!なにこれ!めっちゃ美味しい!!」
思わず敬語がとれてしまうくらいにはサンジの料理は美味しかった。口いっぱいに広がる肉汁に、程よい味付けのスパイスは鼻をすり抜けるようにナマエの神経をかけていく。お肉一つでここまで美味しく仕上げるとは、ナマエのその様子にナミはニコッと笑う。
「美味しいでしょ?うちの船の自慢のコックさんが作ってるからね」
「ナミすぅわん!!!おれ!もう胸がっ!ぐはっ!!!」
ナミの褒め言葉に近くでお肉を焼いていたサンジはメロリン状態に陥り、ヘッドブリッチをかましていた。ナマエはそれに若干引きつつも、料理に舌鼓を打っていた。イケメンな上に料理上手とは。
麦わらの一味は人数は少ないが個々の能力に優れている。一人一人に得意分野があり、それを全うしていて、いいバランスがとれているなぁと咀嚼しながら考えていた。うん、うまい。
「サンジさん、めっちゃ美味しいです!」
「あ?それはよかったな!クソチビ!」
メロリンから復活したサンジはナマエの褒め言葉に、現実に引き戻された気がした。野郎に言われても嬉しくねェってのに。だがまぁ、華奢なその身体にはもっと筋肉をつければいいのにとは感じていたのだ。それはサンジの'コック'としての考えだった。肌も白いし、同じ'男'としては物足りない身体だった。
だが、その発言にナミは疑問に思った。
あれ、これはもしかしてサンジくんは気づいていないのだろうか。
「ねぇ、サンジくん、もしかして――」
「'
ナミの身体からロビンの手が咲き、ナミの口を優しく塞いだ。
「ナミ、それ以上は、ね?」
ロビンは面白いこのやり取りを見ておきたいのだ。本人が気づいた時、どんな反応をするのか。ニコリと笑いかけるとナミは理解したようにコクリと頷いた。するとロビンの手は姿を消し、顔を見合わせてニヤリと笑った。
「ナミさん?」
「ううん!なんでもないのよサンジくん。」
どうやらこの船において気づいているのは私達2人だけのようだ。女性大好きサンジくんが気付かないのだ。他はもう論外であろう。
にんまりと笑んだナミにサンジは疑問に思うもその麗しさに、目がハートである。
「ナマエ!!おめぇの能力ってどんなのなんだ?」
すると先程まで不貞腐れて一番離れたところにいた船長は首だけをこちらに持ってきていて、身体は伸びた先に居座ったままだ。いや、だいぶホラーなんだが。
「ヨホホホ!ルフィさん!その体勢、怖いですよ!!」
「あんたも怖いわっ!!」
にょきっとガイコツさんが目前に迫る。すると鋭くナミさんから野次が飛ぶ。うん、確かに怖い。ってかこの人誰だろうか。麦わらの一味の手配書に載っていたか??ナマエはキョトンと首を傾げ、
「そいえばガイコツさんはいつこの船に?」
「確かにブルックは最近仲間になったからなぁ!」
「ヨホホホ!そうなんです。身に染みる思いで、お仲間に入れて頂きました!」
「身ないんですけど!!死んで骨だけブルックです!」と言い放ったガイコツさん。ブルック??聞いた事あるけど、まぁいいか。
「そういえば、能力、でしたっけ?ルフィさん」
「おうっ!ロブロブの実ってなんだ??」
「イマイチわかんねー」とお肉を食べながら、ルフィさんはいつの間にかナマエの傍へ来ていた。この人ほんと自由だな。ナマエはくすりとまたしても胡散臭い笑みを浮かべる。
「ロビンさんが説明してくれた通り!あるゆるものを'盗む'ことが出来るのです。記憶、感情、能力、技、そして――臓器さえも。」
ニヤリと笑った顔はウソップやチョッパーの顔を青ざめさせた。
「百聞は一見にしかずです!お見せしましょう。」