進展




目が覚める。

頭が痛い。そういえば昨日はお酒飲んだっけ…あまり強い方ではないのに。それに布団がやけに温かい。
重たい瞼を頑張って開けてみると。



……なぜ爆豪くんが目の前に?


え、ええ?!私ついに未成年者に手を出してしまったの?!
頭がぐるぐるとしながらも昨日の記憶を辿る。
昨日は先輩に送ってもらって爆豪くんに連れてかれて…口論になって。
それから爆豪くんとキス、してしまったんだ。

ぼっと顔が熱くなる。私の隣で寝ている爆豪くんはすーすーと寝息を立てて寝ている。
…腕枕されてるし。ごつごつした腕に男の子なんだなと感じさせられる。
ベッドに居る辺り寝落ちした私を運んでくれて寝ぼけて爆豪くんを引き止めてしまったのだろうか。
今何時だろうかと体を起こそうとする、が。
がしっと爆豪くんに抱きしめられ爆豪くんの腕の中に閉じ込められる。










「…爆豪くん?」












呼んでみるが返事はない。
寝てるのかな。そうだ、爆豪くんが起きたらまずなんて言おうかな。
考えなきゃいけないのに爆豪くんの腕の中は心地いい。私も爆豪くんの腕に手を回してしまう。

昨日の記憶が少しずつ思い出される。
とりあえず爆豪くんの前では弟や友達とうワードはだめだ。どんな考えであれ爆豪くんが嫌だと思うことはやめたい。
それに爆豪くんを元いたところに帰すのが当初の目的でもあり爆豪くんの目指すものをやり遂げるためには帰る必要があるんだ。私がやること出来ることは決まっている。










「……ねえ爆豪くん。起きてるでしょ」










心做しか爆豪くんの心臓の音が早まった気がする。
顔を見てみるとやはり。







「…おはよ」
「……おー」









不器用に返事を返す爆豪くん。
タイミングが悪かった。私が爆豪くんの体に抱きついてるのを目撃されたのだ。








「…どうゆうつもりだ?」
「え、わ、忘れて」









にやつく爆豪くんにまたからかわれると思い咄嗟に爆豪くんから離れようとするが爆豪くんに腰を引かれ再び爆豪くんと密着する形になる。いけないのにどきどきしてしまうのは昨日のこともあるせいなんだろうか。本当は自分も気づいているはずなのに。でもそれに気づいたら苦しくなるのは自分だ。









「……爆豪くん寝てるふりしてたでしょ」
「知らねぇな。朝起きたらはるが出ていこうとしたからだろ」
「それ寝てるふりしてましたって言ってるも同然じゃん」







きっと睨みつけると笑う爆豪くん。
私は真面目に怒っているというのに。でも笑いあえてしまう辺りまだいつも通りにはできているのだろうか。










「……昨日のこと覚えてんのか」
「へ、な、なんのこと?」
「…覚えてんだな。嘘つけねぇんだからもう諦めろよ」

「…夢じゃなかったの?ってか、さらりとひどいこと言わないで!」






昨日のことが本当ならまるで爆豪くんは私のこと。








「ばぁか。諦めねぇって言っただろ」







ふと目が合った爆豪くんに悪戯げに笑われる。
その優しい表情も見たことない。







「っ、爆豪くん」
「あ?」
「…私未成年に手を出したら犯罪になっちゃうんだけど」
「あ?俺はまだなんの事だか言ったつもりはねぇが。何勘違いしてんだ」







うまく爆豪くんにかわされてしまう。
私が考えていたことは気の所為だったのかな。まぁいいや、とりあえず準備しないと。
会社に行くべく起き上がろうとするが中々爆豪くんが離してくれない。








「…爆豪くん?」

「…昨日の奴に会うなら男がいるとか言って距離置け」
「?なんで」
「俺の癇に障んだよ」
「なにそれ。うーん、考えておく。
……爆豪くんやっぱり妬い「あ?」妬いて「クソ女黙れ」ひどい」

「調子乗んな」








いつもの口の悪い爆豪くんだ。その件に関しては少し考えよう。付き合って居る人がいるだの言ったら質問攻めに根掘り葉掘り聞かれそうだ。そう考えていると隙をついて私のおでこに爆豪くんの唇が当たった感触がする。






「な…っ!」
「早く準備しろ。飯作ってやっから。1秒でも遅れたら朝飯ねぇからな」







わなわなしている隙をついて理不尽なことを言いながら起き上がり私の頭をぐしゃぐしゃに撫で回してからベッドから出てゆく爆豪くん。
私はその背中を暫くぽかーんとして見つめていた。











《進展》







「っは!!準備しないと!」