悪くない居心地 爆豪side


※爆豪目線





「それじゃあ、いってきます」
「…」
「いってきまーす!!」
「…おう」











はるは今日は仕事らしい。
スーツに着替えて中々返事をしない俺を見かけて懲りずに言う。めんどくせぇ。
そう思いながらも返事をしてやると満足したのか嬉しそうな顔をして家を出ていった。













「…今何時だ」











まだ朝の7時前だ。
ここにきてようやく考えれる余裕がでてきた。
俺はふと思い自分の個性を使ってみるが
…Boom!




個性は使える。
なんだ?あの女。テレビをつけてみるがやはり何一つとしてヒーローと敵については報道がない。
はるが言っていることは間違いないと確認するがそれならはるの前で個性が使えないのはなぜだ?単純に無意識に個性が発動しているのか。
アイツには使っている素振りも自覚もない。唯一わかってるのは敵ではないことだ。













ドカッと音を立ててソファーに体を落とす。












「……」














電話も通じない。情報もない。
どうして知らないところに来てしまってるのかさえもわからない。
…これ以上は考えても今は無駄か。昨日からの疲れが一気にきたのか俺はまた知らぬ間に意識を手放してしまった。























































重たい瞼を開けて見ると変わらずはるの部屋にいる。
どこかで期待をしていたのか変わらない景色に嫌気がさした。
少し空が暗くなってきてるのに気がついて咄嗟に時計を見るが夕方だ。くっそ、どんだけ寝てんだ。
それだけ昨日の夜中を歩き回った自分には疲れへと変わっていたのだと思い知らされる。





















「…動くか」















そう呟いて俺ははるが買った服に着替えて家に鍵をかけて家から出た。
ほんの少し風は冷たい。歩けばすぐそこにはコンビニやスーパーもあるみたいだ行ってみるか。














「……」










ふと歩きながら考える。俺が今ここにいる間にも半分野郎やデクも更に力をつけているのだろうか。
俺は強い。だが俺は1番じゃなきゃ意味が無い。焦りと怒りが混じり合う。










「……イラつくんだよ」











俺の呟きは誰にも聞かれることもなくかき消される。それが酷く虚しく感じた。















「……爆豪くん?」
「あ?」










振り向くとはるがいた。嫌な顔をすると今仕事終わって帰ってたのという。










「爆豪くん今から買い物行くけど一緒に行かない?」
「あァ?!なんで俺が…」
「いいからいいから」











そう言うとまたこいつは俺の腕を引いて連れてゆく。
誰かに仕切られるのは癇に障る。









「くっそ、1人で歩けるわ!俺の前を歩くんじゃねぇ!!クソ女!!」
「…爆豪くん」
「あァ?!」




「私の名前呼べたら離してあげる」









こいつ昨日も俺に同じことを…!!









「あれれ、爆豪くんは女の子の名前呼べないのかな」











にやにやと俺をおちょくる。
くそ女だわ、まじで。









「あはは、うそうそ。
いいよ、ご飯の材料買うのに爆豪くん何が食べたいか一緒に選んでもらいたかったから」









そう言うと俺の腕を離す。その余裕ぶった顔がいらつく。
俺ははるに近づくと手を握り手を引いて歩く。俺の突然の行動に驚いたのか余裕だった顔が一気に恥ずかしがる顔に変わったのがわかった。ざまあみろ。











「ば、爆豪くん?!」







「……ばぁか、行くぞはる」











顔を赤くしたはるが見えた。俺をおちょくるなんざまだまだ早ェんだよ。
先程までの苛立ちなど忘れ そんなに悪くない優越感に浸りながらはると足を運ばせた。












《悪くない居心地》






「ね、ねぇ爆豪くん手」
「あ?そっちから繋いできたろ」
「そりゃそうだけど!嫌じゃないの…?」
「……嫌ならとっくに離しとるわ」