12
「あの、光己さんお風呂までいただいちゃって大丈夫ですか…?」
「なーに言ってるの。知らない間柄じゃないんだからそんなに畏まらないで。ほらほら、行ってきな!」
「ふふ、じゃあ、いただきます」
皿洗いと片付けも終わり好意でお風呂までいただいてしまう事になりどきどきしながらも昔もよく使わせてもらっていたお風呂場へ向かう。その間にも1人悶々としていた人物がいた。
▲▼
「……」
自身の部屋に居ると色んな葛藤を繰り広げている爆豪。それもそうだ。思いがけない形で好きな子と一緒に屋根の下寝るのだ。落ち着かない気持ちが出てくる。あと5日とは言っていたがその内の2日は一緒に居れる。それだけは素直に嬉しいと思う。
「……ックソが」
ベッドで寝転がっている自分の体を横向きにさせるとお風呂場の戸が開く音が聞こえる。その音ですら今の彼には毒で仕方ない。1人の男として悩ましいところだ。暫くすると階段を上がる音が聞こえてくる。
「勝己くん?」
「……んだよ」
「お風呂もらっちゃった。光己さんがりんご食べないかだって」
「……こっち来い」
「??うん」
素直に呼ばれた彼のベッドに呼ばれるとふと同じ香りがする。近くに来たなまえの肩を寄せると抱きしめてきすをした。
「ん、どうしたの勝己くん」
「あー…いいなこれ」
「え、なにが?」
「…同棲してるみたいだな」
「っ、へ」
思わぬ言葉に固まるなまえ。そんななまえをお構い無しに抱きしめる爆豪はなまえの匂いを満喫している。
「や、くすぐったいよ勝己くん」
「……今日一緒に寝るか」
「え?」
「暫く会えなくなるだろ」
「え、ええ!?で、でもバレたら大変だよ」
「バレなきゃいいだろ。つか、多分バレてんだろ」
「え、うそ!?」
「多分な。別に、バレたところで困らないだろ」
「そ、そうかもしれないけど…!ん、っ」
「…1回させろ」
何度も角度を変えてきすをする爆豪。いきなりなのは変わらずだが1回とはなんのことだろうか。逃げようとすれば頭を押えられて唇に噛み付くように貪る爆豪。
ーーなんだかくらくらして変な気分になる。
「ん、ね、光己さ、んっ、待っ、て」
「……」
むすっと不機嫌そうな爆豪は行為を止めると「行くぞ」と言い、先に部屋を出ていってしまい1人部屋に取り残されるなまえ。
「お、落ち着けわたし…!!」
こんなに回数を重ねたきすなんてした事は無い。
赤くなった顔を見せれるわけでもなく深呼吸を何回もして自身を落ち着かせる。
ーーこんなのじゃ心臓もたないよ!!
「とりあえず降りよう…」
何事も無かったかのように平然を装う努力をするが1階に降りて早々「なにかあった?」と爆豪の母に尋ねられて唖然としてしまう。本当に勘が鋭い。嘘を伝えるのも心苦しいが「なんでもないです」と伝えてりんごを食べる。その隣ではその原因である彼は笑っていた。
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