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その後私と悟は没頭するように任務にあたった。私はおかげで特級呪術師になり、悟は更に最強へと名を広げた。お互い何度か話そうとしたが今更話すことなんてないと思い私は話を避けた。月日が過ぎ、気づけば卒業を迎え高専は卒業した。卒業の日に悟から話しかけられ捕まってしまうが変わらず話すのが怖くなった私は掴まれた腕を振りほどいて彼から逃げた。
そして逃げるように京都の呪術高専の補助監督になった。そこからは毎日が忙しく必死で忙しい日々が続いた。おかげで私も仕事に没頭し、数年と経ってしまった。
そんな変わりのない今日を始めようとするが今日は学長室に呼ばれる。嫌な予感がするが重たい足を運ばせて学長室に入ってゆく。そこで聞かされた話が衝撃なものだとは知らずに。






「みょうじ なまえ」



「はい」





「君には来月東京の呪術高等専門学校に
移動してもらう」
「へ」







突然のことに拍子抜けな声が出る。それより今なんと言ったんだ学長は。









「これは決定だ」






「いや、待ってください。
来月ってもう来週ですよね?今月ももう終わりますよ?」
「そうだな」





「準備とか住まいとかの手配は何もしてないですよ?」





「……それは全てあちらで責任を取るそうだ。
住まいも向こうが用意するとな。荷物だけ纏めてくれればいいと」





「そんな急な…「その分慰労金も出そうと思っている」
!!ありがとうございます」









つい口が反応してしまうが移動先も特に生活費も向こう持ちだと聞かされて返事はイエスと答えてしまう。それにしては話が上手くできすぎていないか?しかも行先は母校とは。疑問を持つが帰ってから荷物を纏めなければ行けないのと引き継ぎをしなければいけない業務を考えると時間があまりない。なんでいつもこの学校は唐突にものを言ってくるんだ…。
頭の中で情報処理をするとすぐに学長に一礼をし、学長室を去る。「……恐ろしい男よ」と声が聞こえたような気がするがそれと同時に開かれた扉がガチャりと音を立てて遮る。うまく聞き取れは出来なかったが今はそれどころでは無い。私は残りの作業をしにその場を立ち去った。













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