ふわふわした気持ち








ピンポーン












「はーい!」



ガチャっと音を立て私はドアを開ける。







「お疲れ様です、轟さん」
「あぁ。ありがとう。今大丈夫か?」

「もう出来上がってますよ」
「いつも悪いな…」
「いえいえ、轟さんと一緒にご飯食べると美味しいですから!」





笑ってみせると轟さんも安心してくれたみたい。私の部屋に轟さんが来るのはもう6日目にもなる。
仕事帰りにご飯を用意して轟さんと食べるのも少しずつ日課と化している。








「!!この匂い…蕎麦か」
「ふふ、この前好きだって言ってましたよね」
「ありがとな」







どうぞと一緒に部屋に入りいつもどおりテーブルに座る。
蕎麦を発見した轟さんの目は見るからにも嬉しそうだ。
いただきますと手を合わせてズズーッといい音をたてて食べ始める轟さん。






「…美味しい」
「蕎麦大好きなんですね」
「なまえも蕎麦好きか?」



「蕎麦美味しいですよね。私も好きですよ」






そう言うとなぜか顔を逸らしそうか。という轟さん。どうしたんだろう?






「?轟さん」
「いや。なんでもねぇ」

「そうですか?」

「っ、あぁ。それより今日は雰囲気違うな」
「え?そっか、髪が長くなってきたので結んでたままでした」







そう言うと轟さんはじーっと見てくる。その視線は私には耐えきれずつい顔を逸らしてしまう。








「いや、似合ってると思って見ていた」
「っ、な、なにを」

「?可愛いと思ったんだが…」





その瞬間私の顔に熱が集まるのを感じた。心臓に悪い。そして当の本人はというと真顔で言うものだから本当に質がわるい。天然なのかな轟さん…。








「あ、ありがとうございます。な、なんか暑いですね」






そうか?と轟さんは言うが私は赤くなった顔を隠すべく結んでいたポニーテールを解き顔を逸らす。
それを見かねた轟さんはさらに追い討ちをかけるかのように私の髪を触る。人に髪を触られるのは中々機会が無いためピクっと肩を揺らして反応をしてしまった。







「と、轟さん」
「……なんで解いたんだ?勿体ねぇ」
「あ、あの、髪」
「?顔赤いな…熱でもあるか?」






そしてだんだんと轟さんの顔が近く…近くにあるけど?!





「ち、ちか」
「…熱は高くなさそうだな」






そう彼は、私のおでこに自分のおでこをくっつけてきた。本当に心臓に悪い。







「と、轟さん!」
「??」

「ち、近いです!」
「!!わ、悪ィ……」








離れた彼はまるで叱られた子犬を連想させられる。











「轟さんいつも女性にこんなことを…」
「?いや、姉さんが俺にそうする」

「うん?」
「それにしたのはなまえが初めてだ」
「っ……と、轟さん!普通はしちゃいけません!するなら彼女さんに…!!」


「?わかった」






私がわなわなする反面その思いは轟さんにあまり伝わったのかわからない返答。私の心臓は暫くどきどきしっぱなしであった。

















《ふわふわした気持ち》



「やっぱり顔が赤いが…」
「ま、待って!轟さん、本当に大丈夫。大丈夫です…っ」