一條くんと開発02
「うーん、そうだなぁ…一応、活動日は毎週月曜日ってなってるんだけど、それ以外の日は個人的に写真撮ってることが多いかもしれないなぁ。月曜日に皆に見せるために何枚か撮らないといけないしね。」

へぇ…知らなかったな…

「蒼生普段カメラとか持ってないから、写真部だってこと知らなかったよ。」
「ふふ、僕はスマホで撮っちゃうから、カメラ持ってないんだ。」
「あぁ、最近のスマホは画質いいもんなー」
「うん。あ、写真部はここだよ。」

写真部、とぎりぎり読めるくらいの薄い文字で書かれたプレートがドアにかかっている。
ドアを開けると少し埃の匂いがした。
しかし、部屋は思っていたよりも綺麗で時々使われていることがわかる。

「…で、蒼生。
ここのどこを片付ければいいの?」
「ふふっ…」

腕まくりをした俺を嘲笑う蒼生。
この笑い方は…

「圭太くんさぁ、ほんっと馬鹿だよね!
ここ、人通りの無い旧校舎。それに今は放課後。さらに、この写真部の部室は一回の一番角部屋。…ヤバイと思わない?」

カチャリと鍵をかけ、指先で鍵を弄びながら嘲笑う蒼生。
その瞬間、背筋にヒヤリとするモノが通った。振り返った蒼生に狂気の笑みが浮かんでいたからだ。

「あ…」 

ヤバイ…そう感じた俺は本能的な勘で後ろへ後退る。今捕まったら危険な気がした。
…やっぱり、あの蒼生は夢なんかじゃなかったんだ。

ひやりと背中に冷たいものが当たる。

「それ以上は下がれないね、圭太くん。
大丈夫、痛いことなんかしないよ。気持ちよくなるだけだから、ね?」

じわじわと攻め寄ってくる蒼生。
手には何やら拘束具が光っている。

「僕ね、拘束具で身動きできない圭太くんを犯したいなって思ってたんだぁ。
逃げたいのに逃げられない。嫌なはずなのに気持ちよくなっていく…ね?最高だと思わない?」

うっとりとした顔で確実に距離を詰めてくる蒼生。

「さぁ、両手を出して?」

俺と蒼生との距離はわずか数メートル。
触れられる距離なのに敢えて触れず、自ら手を出すように求める。

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