
37. こたえて
「っ‼︎ 」
弾かれたように目を覚ました。天井の電気が眩しくて、顔をしかめる。どうやら、病室の前の長イスで寝てしまったらしい。
自分にかけられた薄手のブランケットがパサリと落ちる。頭を押さえ、思考を巡らせた。
……あれは夢?
そう、そうだよ。現実じゃなかったんだ。
でも、どうして?
夢だと理解したのに、不安は胸に残ったまま。
病室の中から声が聞こえる。月詠さんと晴太くん。銀時さんたちもいるみたいだった。
隙間から覗けば、ベットに横になった日輪さんの姿が見える。上下に規則正しく動く布団。どうやら眠っているよう。
みんなの様子から、幸い日輪さんは大事に至らなかったと分かる。中に入ろうとして、ドアに手をかけた。でもそれを横に動かすことが出来ない。いつの間にか、手は震えて冷や汗をかいている。
"お前のせいだ"
急に蘇る、街の中で聞いた誰かの声。何度も何度も頭の中で響くその声に、私は意識をとられていた。
お前が、全て悪い。そう言われているようだった。
「私の、せいで……」
その瞬間、私は誰にも見つからないように診療所を後にした。
辺りはすっかり暗闇に包まれ、大通りの方では、夜の店が開かれている音がする。右から左に流れる喧騒。
夢が本当だとしたら?
誰も口に出さないだけで、私のせいだと思っていたら?
"目障りなんだよ"
鮮明に聞こえる、あなたの声が。否定的な言葉が。
そんなこと言うはずないって、私の勝手な想像だって頭では分かってるのに。
「神威さん……」
あなたは私をどう思っていますか?