そして翌日、クレア嬢のいるマロン家へと車を走らせた。
東方司令部から車で30分の所にあり、想像をはるかに超える大豪邸だった。
むしろ、こんな豪邸があった事に驚いた。何故今まで気付かなかったのかというほどだった。
門をくぐり玄関前に車を停め、チャイムを鳴らした。
「お待ちしておりました。本日はお忙しい中ありがとうございます。さ、中へお入り下さい」
ドアが開くと、チャドが出迎えてくれた。
そして応接室に案内され、クレアを呼びにチャドは部屋を出て行った。
『なんだかドキドキしてきました……』
「何、生き別れの姉妹とでも思えばいいさ」
『なんですか、その設定……』
コンコン
「失礼します。お待たせいたしました。クレアお嬢様をお呼びいたしました。お嬢様、どうぞ中へ」
「『!!!』」
「!?」
凄い……鏡を見なくても自分がどんな顔をしているのか分かるほどだった。
一緒に入って来た使用人やら皆が、声が出ない程驚いていた。
「すみません、本当にソックリで驚いてしまいました。初めまして、私がクレア・マロンです」
「私は中央司令部のロイ・マスタングだ」
『は…初めまして、名前 名字です……っーー!!』
「名前!?」
クレアと握手を交わした途端、突然ズキッと頭に痛みが走った。あまりの痛さに声に出ない程だった。
頭を押さえる名前を見てマスタングは慌てて声をかけた。
『すみません、なんか突然頭痛が……でももう大丈夫です』
先ほどの頭痛は嘘のように一瞬でなくなった。名前は何だったのか?と少し不思議に思ったが特に気にする事もなく、クレアに再び目を向けた。
クレアは背丈、髪色、声も名前と同じだった。唯一違うと言えば、目の色がブラウンな事だ。
『(昨日チャドさんから少し聞いた話だと、クレアお嬢様は私より5歳下の20歳。
むしろ20歳で結婚とか……考えられない。
でもなんだか、クレアお嬢様を見るとどき懐かしい感じがする。何故だろう。初めて会うのに……)』
「では早速ですが、例の件についてお聞かせ願いたい」
「ええ……チャド、説明してあげて」
「はい、かしこまりました。昨日もお話した通り、こちらが送られてきた手紙です」
机の上にスッと置かれ、マスタングはその手紙を手に取り内容を確認した。
「クレア嬢、心当たりはあるかね?」
「いえ……私は婚約者以外の方とはお付き合いしたことはありません」
『しつこく声をかけられたりとか、宛先不明から何か届くとか』
「うーん……あ、そういえば」
クレアは少し記憶を辿り、ハッと思い出し考え込んでいた顔を上げた。
「これが関係あるか分かりませんが、だいぶ前に1度だけ花束を渡して来た人がいたわ。その時は突然の事だったので怖くて受け取らずにその場から逃げてしまって……。それでつい最近、その時と全く同じ花束を渡して来た方がいて、婚約者も一緒でしたので御断りしたのです。確か同じ方だったような……」
「それだな」
『だいぶ前って、最初はいつ頃だったか覚えてますか?』
「そうですね……1年前くらいかしら」
『うーん、最初と最後に渡してくる間隔が長いのは謎ですが…きっとその人っぽいですね』
「どういう人だったか覚えてるかね?」
「えっと……確か私より目線が高めだったので、マスタングさんより少し低い方だった気がするわ。栗色の髪で目が青く、20代後半くらいに見えたわ」
クレアは必死に覚えている限りの情報を伝えてくれた。
『ここまで情報があればなんとかなりそうですね』
「そうだな、帰って早急に犯罪者リストを調べよう」
「式まで残り1ヶ月もありません……なんとか、なんとかお願いいたします」
「身内の勝手なお願いで申し訳ありません。どうかよろしくお願いいたします」
チャドが深々と頭を下げると、クレアも続いて頭を下げた。
「2人共顔を上げてください。作戦が決まったらまたご連絡しますので」
そしてマスタングは名前に"帰るぞ"と声をかけ席を立ち、名前は"はい"と返事をして立ち上がった。
「今日は本当にありがとうございました」
クレアも立ち上がり、再度深いお礼をした。
『またね、クレアお嬢様』
「はい、今度ゆっくりお話させて下さいね」
お互いニコッと笑い、その部屋を後にした。
「残り1ヶ月もない。急ごう」
『はい』
マスタングと名前は歩く足を急がせ車に乗り、東方司令部へと向かった。
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17.03.24
異動前に災難だよねー
本当は中央異動後に書く話でした。
そして全然話進まずすみません、、