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あの後、#name3#さんは私の戸籍など内緒で作ってくれて、書類上は#name3#さんの遠い親戚の子、という事になっている。

そして、名前は晴れて軍人になる事ができ、#name3#の部下として働く事になった。

漫画が始まるのは2年後。この2年間で錬金術師の資格を頑張って取らねばならない。
名前は働きながら錬金術の勉強をして、体を鍛えて、など色々プランを立てていた。

そして初めて錬金術の本を目の前にし、なんだかドキドキした。そーっと最初の1ページ目を開いた。

『……えーっと…………』

む、難しい過ぎる!!
これ本当に2年で取れるかな……
そりゃ難しくなければ誰だって取れるよね……とガクッと肩を落とした。

『でも、頑張らなきゃ』

名前は改めて気合いを入れて本とにらめっこを始めた。






「あ、ロイ・マスタング中佐に繋いでくれ」
「はい、少々お待ち下さい」

「#name3#・オーズリー中佐、お久しぶりです」
「おう、元気してるか?ちょっとお前に知らせたい事があってな」
「実は私もご報告があります」
「お?結婚か!?」
「……違います……。実はもうすぐ大佐に昇進します」
「はぁ?なんでいつもいつも俺より先に昇進するんだよ!」
「この前、錬金術師を推薦しましてね」
「ふーん、まぁ、俺もそうなるかもな」
「ほぉ、それはおめでとうございます。貴方が錬金術師の推薦とは珍しいですね」
「まぁ、色々訳あってな。今度その話させてくれ。でな、まだ先の話なんだがその子をお前の所にやろうと思ってる」
「女性なら何人でも大歓迎ですよ」
「お前なぁ……。これから俺が手塩にかけて育てるんだから、手出したら許さんからなー」
「随分と過保護ですね」
「まぁ、また今度ゆっくり話そう。セントラルに来たら連絡くれよ」
「勿論です。それでは」

お互いにガチャンと電話を切った。

「中佐どうしたんですか?随分と嬉しそうですね」
「いや、今後が楽しみだと思ってね」
「?」

電話が終わると、マスタングが嬉しそうな顔をしていたので、ホークアイは思わず声をかけたが、何の事かさっぱり分からなかった。




そして月日は流れ、名前はなんとか国家錬金術師の試験を受けられるまでの知識を得る事ができた。そしてこの前試験を受け、今日が合格通知日だ。

物を錬成する事だけではなく、いざという時の錬金術による治療法も勉強した。銃も使いこなせるようになった。体も鍛えた。みっちり2年間、軍人として、そして錬金術師になる為に人生全てを捧げた。
名前に必要な物はほぼ全て揃った。
あとは錬金術師の資格が取れれば完璧だ。



「おめでとう。晴れて名前も国家錬金術師だ。頑張ったな」
『ありがとうございます!よかった……』

国家錬金術師の証である銀時計を渡され、実感が湧いてきたのか笑みがこぼれると同時にホッとした。

「二つ名だが……なるほど。名前そのものでピッタリだな」

そう言って名前に書類を渡した。

『灰目(はいもく)の錬金術師……』
「そしてもう1つ。来週から東方司令部に異動だ」
『本当ですか!?』
「ああ。ロイの事しっかり頼んだぞ」
『勿論です!」
「あいつに何かされたらすぐ俺に言えよ」
『大丈夫ですよ、私を相手にするほど飢えてませんよ』

念願だったマスタング大佐の所へ異動になり、名前はもう嬉しくて仕方がなかった。

そして名前は背筋を伸ばし、#name3#に向かって敬礼をした。

『今まで本当にお世話になりました。このご恩は必ずお返しいたします』
「こちらこそ。お礼ならとっくにもらったよ。大佐っていう地位をな」

名前を錬金術師へ推薦した事で、#name3#は大佐へと昇進した。

『また、マスタング大佐と同じですね』

クスクスと名前は笑った。

「今度こそ俺が抜かしてやるわ」
『その時は盛大にお祝いしましょう!』
「よろしく頼むよ。名前」
『は……はい』

名前は改めて名前を呼ばれ、ドキッとした。

「セントラルにまた遊びに来いよ。待ってる」
『勿論です!』
「その時は覚悟しておけよ」
『……へ?』
「そのままの意味だ。本当はロイの所には行って欲しくないけどな」
『っ……!』

理解した名前はボッと顔が一気に赤くなった。

「なーんてな。冗談だ。ほら仕事に戻れ、荷造りもしなきゃだろ」
『じ、冗談にも程がありますよ!もう!失礼しました!』

名前は恥ずかしさのあまり、そそくさと部屋を出て行った。


「ロイには絶対渡さねー……」

窓の外を見ながら#name3#は独り言を言った。

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16.02.07
ちょっとだけ大佐出ました!やっとです、やっと次から絡みます。大変お待たせいたしました……思ったより長くなってしまい……気付いたら大佐出るまで6話も使ってしまいました……