純白のカード
アヴドゥルさんの占いで承太郎のスタンドの名前が決まった。星の白金。星のカードは希望や未来、良縁などの意味があるそうだ。典明くんは法王、アヴドゥルさんは魔術師、ジョセフさんは隠者のタロットだったという。私もアヴドゥルさんに呼ばれて占いをしていただけることになった。机の上に並べられたカードはどれも同じものに見える。ここは直感に頼って最初に目に付いたカードを選ぶべきなのか、それともラッキーナンバー(だと思っている)四番目のカードを選ぶべきなのか迷っていたが、決められないので思い切って一番右のカードを選んだ。
「……真っ白?」
雪よりも白いそのカードは何を意味するのだろうか。アヴドゥルさんの驚いた表情から本当はタロットにないカードだと分かる。
「本当じゃな。かるたの予備札みたいな……」
「いや、こんなもの入れた覚えはないぞ」
彼が他のカードを捲ったが古典的な絵の下に英字で名前が書かれているだけで、他におかしなところは何も無かった。机に並べられた二十二枚のカードと、私が捲った真っ白な一枚のカード。二十三枚のカードがそこにはあった。
「すまない、今のはミスだ。もう一度引き直そう」
「…………いいえ、このカードにさせてくださいな。何が起きるか予測できないって素敵なことだと思いますの。地図を見ながらの旅も楽しいけれど、見知らぬ土地で自由気ままに冒険するのもきっと悪くない」
それに、私のスタンドはもう名前が決まっているから困ることもなかろう。自分の運命は自分で決める。これは人生においてとても大切だと私は思う。道の標識に従いながら生きるのも一つの生き方であるとも思うが、私は自分で道を開拓したい。
アヴドゥルさんは私にその何も書かれていないカードを譲ってくださった。かるたの予備札には、失くした絵札を補うだけでなく、絵を描いて自分だけのオリジナルかるた札を作るという使い方もあると聞く。旅が無事に終わった時に、その思い出をこの札に描いて飾ろう。そう決めてカードを財布にしまった。