誰も聞かぬ告白





最後の戦いが終わり、やっと世界に平和が訪れた。戦乱を起こした元凶である彼は、私のベッドで横になり眠っている。

その彼のそばに座り、彼の手のひらを両手で包んだ。相変わらず体温が低い。

寿命が短いという彼を放っておくなんて私には出来ない。ブラン・バルで聞いた彼の生い立ちは、かなり悲惨なものだったからだ。
勿論大切なものを失ったガーネット達に任せる訳にもいかず、仲間になったのが1番遅い私が彼の看病をすることになった。

私が彼らの仲間になった理由。初めこそは単なる好奇心だった。家族も友達もいない私にとって光のような存在だったジタンに、希望を抱いていたのだろう。それから戦闘技術を学び、みんなでクジャを倒したのだ。

「貴方はどうしたかったの…?愛されたかったの…?」

返事は帰ってこない。
ただ寝ているだけだ。心配することは無い。そう自分に言い聞かせることしかできない。
これが同情で、真実の愛などではないことは分かっている。彼が望んでいないことも。

「ごめんなさい…私にはできないわ」

彼の頬に口付ける。もう冬は近い。ひんやりとした空気が私達を包んでいた。
次に会う時は、敵同士ではなく味方同士として逢いたい。その思いは愛か、同情か。

どちらにせよ、私に出来るのは祈ることだけだ。








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