脆い永遠の果てに
星が救われてから気が遠くなるほどの時が過ぎた。バレットやティファ、ユフィ、更にはナナキも生命の運命に従い星に還っていった。今この世界にいる知り合いは、私と同じく神羅による実験を受けたヴィンセントととんでもない量の魔晄を浴びたクラウドだけ。眠りについたヴィンセントを除く二人で世界各地を周りながらひっそりと暮らしていた。
「イリアは、寂しくないのか?」
廃墟となってしまった故郷、ミッドガルを眺めながらクラウドは言った。
「知っている人が亡くなるのは悲しいことだけど、それももう何十年も前の話よ」
そんなふうに強がってはいるけれど、クラウドに握られている手は酷く震えていた。きっと彼は私の孤独なんてとっくに見破っているんだろう。
「俺じゃ、ダメなのか」
「えっ?」
目を伏せて言った言葉が、心の中で反響している。こんなに彼のことをしっかり見つめたのはいつぶりだっただろうか。彼のトレードマークでもある不思議な髪型と金、魔晄の宿るサファイアの瞳。肌はおとぎ話のお姫様のように白く鼻が高い。寄る町寄る町で声をかけられるのもよく分かる。そんな美顔の友人が、真剣に私のことを見つめていた。
「イリアが寂しかったら、俺がその孤独を埋める。俺が寂しかったら、あんたがその孤独を埋める」
「……いい提案ね、それ」
そう答えると、美青年が視界から消えた。私の背に腕を回して抱きしめているのだ。これから先、何年、何十年、何百年とどれだけ続くか分からない未来は、少しは明るいものになった。私も彼のことを抱き締め返した。
「クラウド、私今ね、すっごく寂しいの。慰めてくれる?」
「ああ、もちろんだ」
月明かりの下で、私たちは愛を確かめ合った。ただの恋人としてではなく、永遠の絆……番や運命共同体のような特別な存在だ。
生まれたままの姿で触れ合って、私は生と死を感じた。愛の誕生と人間性の死。今日も化け物たちは孤独の中で二人寂しく生きていくだけだ。