君を守り隊3

「みょうじ〜はい、今日の仕事」

放課後一番ノリで部室へ入るとオサムちゃんがいた。いつも最後にやって来るのに珍しいこともあるものだ。きょとんとした私を気にする様子もなく一枚の用紙を渡してきた。

「ネットをかける、砂ならす、ドリンク運ぶ、部室の掃除……」

他にもボールの手入れ、片付け、備品チェック、買い出し、部誌等々の雑用がたっぷりと書かれている。なんだこれはとオサムちゃんに聞くと「言うたやん、今日の仕事や」と返された。確かにいつもやっている内容ではあるが、一人でやっていたわけではない。オサムちゃんと一緒にやっているものも入っている。もう一度オサムちゃんを見ると困ったようにこう言った。

「すまんなあ、今日会議でどうしても抜けられへんのや。適当でええからやれることだけ任せるわ」

みんなにもそう伝えておいてや、と足早に出て行ってしまう。

適当にと言われても、できるものだけと言われても……

「やってしまいたいのが私!だって真面目なんだもの!!!」

とりあえずコートの準備をしないと部活は始められない。
殴り書きで『オサムちゃん不在、コート準備のためみょうじ抜きではじめといてください』と白石のロッカーにメモを貼り付けた。

ネットを貼り終え、砂をならすためにブラシを取りに行く。その時、メモ通りみんなでストレッチをしている姿が見えて安心した。これが終わったらドリンク作らないと、そう思ういながら一人じゃ時間かかるなあと横に広がるコートを見る。すると財前が黙々とブラシをかけていた。

「え、財前どうしたん!?」

「みょうじ先輩とろいんすわ」

「確かにちょっと時間かかりそうな感じしてるけど、ちゃんとストレッチせなあかんで!」

「別に、さっき体育やったから体はあったまっとる」

そう言って反対の面へ行ってしまう財前を止められず私も頑張らなきゃと急いだ。二人でやったからか早く終わり手伝ってもらって良かったとお礼を言う。別にあんたの為ちゃうし、とそっけなく言われたが照れ隠しなんだろう。少し耳が赤くなっているのでそう受け取った。

次にドリンクを作ろうとジャグを手にする。いつもオサムちゃんが運んでくれていたから気が付かなかったが、単体でもまあまあ重い。ここにドリンク入れたら絶対運べない。台車を探しに部室を出ようと扉に近づくと同時に勝手に開いた。

「うおおお、私超能力あるんちゃうやろか」

ドキドキしながら出ようとするとくつくつ笑っている千歳がいた。

「すんまっせん、俺が開けた」

「普通に恥ずかしい、何してるん」

「手伝いに来た」

「ほんま?!ありがと〜ほなドリンク作るからベンチに運んでほしい」

重いめんどくさい、がそろったこの作業に男手があるのはとても助かる。私は素直に喜んだ。千歳が運ぶなら大丈夫だろうとジャグに粉、水、氷を混ぜて渡した。

「来て良かったばい、みょうじにこんな重たいの持たせられん」

あれ、千歳ってこんな男前だったけ今きゅんとしたぞ。それより仕事や、今日やっといた方が良いものは備品チェック次第の買い出しかな。掃除はいつも最後にみんなでやってるし、他は時間あけばやろう。



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