君を守り隊11

あれから色々考えたけどわからなかった。もしユウジが犯人ならなんで優しくしてくるのかがわからない。目的だってわからない。それでもユウジは関係ありそうな気がして今まで通り接することができないなって思った。

『もう落ち着いたし明日からは一人で登下校するね』

そうココアトークで送信すると『なんかあったら呼べよ』だけ返ってきた。まだ駄目と言われたらどうしようかと思ったが、あっさり受け入れてくれた。小春ちゃんとの時間がめっきり減っていたからかもしれない。それよりも、なにかあったらの言葉に次はなにをしてくる気なのだろうかと不安を感じた。



犯人だと決めつけるのは良くないがどうしても警戒してしまう。部活中、ユウジと喧嘩でもしたかと聞かれたが適当にごまかした。不思議なことにちよにも一氏君と何かあったかと聞かれた。ちよが気付くくらい露骨だっただろうか。

ユウジを避けはじめて一週間ちょっと経った頃、久しぶりにまた手紙が入っていた。


あの人を返して


気味悪いのには変わりないが、前程動揺しなくなった。むしろ怒りすらわくくらいだ。それは未知な相手ではなくなったからかもしれない。今までの手紙は証拠で置いておこうとファイルに入れてあり、今回のもそこへしまった。



ユウジと帰らなくなってからずっと部活の寄り道も断っていた。でも今日は金ちゃんが「ワイらのこと嫌になってしもたんか」と泣きそうな顔をしたので参加することになった。

「なんやダイエット終わったんかー?」

「せなあかんのはあんたとちゃいます」

ふざけて場を明るくしようとしてくれる謙也とそれにのっかる財前。なんでやねんと二人の言い合いがはじまりそれを笑う私たち。いつもと同じ光景。ただユウジとは目が合わせられなかった。


ぼちぼち解散しよか、白石の言葉にみんな立ち上がる。小春ちゃんが「ユウ君一緒に帰りましょ」と声をかけていて安心した。小春ちゃんといる時は何もしてこないと思ったから。だからそのままみんなと別れた。なのに、もう数分で駅に着きそうな道まで差し掛かった時、聞こえてきたあの足音。避けすぎだという自覚はある、そのことに腹を立てているのかもしれない、怖くなって走って逃げた。

音が聞こえなくなるまで、そう思っていたが自分の足音と心臓と息がうるさくて周りの音が聞こえない。このままの勢いで電車に乗ってしまいたい。ただ雑用しかしていない私が勝てるわけがない。それでも今まででないくらい自分の中での最高に早く走った。人通りの多い道へ出ようと角を曲がったところで何かと思い切りぶつかってしまった。

「みょうじやん、大丈夫か」

聞きなれた声にほっと胸を撫でおろす。

「白石……ごめんな、ケガせんかった?」

「おん、なんか急いでたんか?」

「いや、ちょっと」

話しながらも相手は一歩一歩と近づいているはずだ。後ろを気にしながら話しているとそれが気になったらしく「どないしたんや」と聞かれた。どうしようかと迷ったが『違うかもしれない』と前提を置き、ユウジに後をつけられている気がすると話した。白石は一呼吸を置いてからこう言ってくれた。

「俺も、ユウジには気を付けておくから」


そのまま家まで送ってくれて安心して眠ることができた。



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