今日も寒いなーと歩けばまたもや見覚えのある後ろ姿。
「赤也!おはよう」
「はよっす」
「またゲームしてたの?」
「違いますよ」
そう答えると黙ってしまったので、最近私に起きているテニス部による不可解な出来事を赤也に話した。
「でね、みんな聞いてくるんだよ何でだろうね?」
ブン太は試作食べさせろって、いかにも言いそうな事で笑えたよ。
赤也もテニス部だから、みんなが聞いてまわってるのは知ってるもんだと思っていた。でも赤也だけ聞いてこないことに気がつくべきだった。
「なんすか、それ」
「私が聞きたいよ〜なんなの?」
「俺は知らないっす」
赤也は少し怒っているように感じた。
「それで丸井先輩に食わしたんすか?」
「え?うん、その日に部活の休憩だって食べに来たから……」
赤也が怒って質問してくるためか、悪いことをしている気分になり少しずつ声が小さくなっていく。除け者にされたとか思っているのだろうか。
「はあ!?ありえねえ!」
「な、なにがよ」
「普通バレンタインのチョコを他の男に味見させる!?」
よくわからない赤也の怒りについ言い返してしまったのがいけなかった。
「他のって私があげる相手ブン太かもしれないじゃん!」
「っ本人に試作食わすのも意味わかんねえ!」
「なんでよ!その人好みの味に近づくじゃない!」
「……あーそうっすか、丸井先輩の事が好きなんすね」
「だったらなに!?」
「別に!!!」
見るからに怒ったまま、さっさとはや歩きで行ってしまった。
「なによ……赤也のやつ」
こんなに怒っている赤也のを見たことがない。
今までも言い合いになった事はあったが、その日のうちには何もなかったかのようにまた話をしていたので、今回もそうなるだろうと考えていた。
なのに。
すれ違っても目は合わせない。
声をかけても無視される。
それが数日続いた。
こんな状態は初めてまいってしまい試作どころではなかった。
「みょうじ」
そこに声をかけてきたのは幸村君と柳だ。
「おはよう」
「元気がないみたいだね」
「赤也と喧嘩した可能性79%」
「喧嘩じゃないよ勝手に赤也が怒ってるだけだよ」
「お互いに意地はっていては状態はかわらないぞ」
「私から声かけても無視されるんだもん」
まあどうでも良いけど、そう言った言葉は少し泣きそうで震えた。
「みょうじさんは赤也と喧嘩したことがそんなに悲しいのかい?」
「そりゃあ仲良い人と喧嘩したら元気もなくなるよ」
みんなそうでしょ?喧嘩した時平気だったわけ?
「うん、でも俺なら試作にも行けなくなるくらいショックは受けないかな」
「そうだな、そこまでひどく落ち込むのには別の理由がある」
「それもデータから?」
少し嫌味を含めて言えばデータに頼らずとも大体の人が勘づくと言われた。
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