渡したいものがある7

私はどうしようもなくなって、クラス違いの親友を呼び出した。

「びっくりしたよー授業中にメールくるんだもん」

ケラケラ笑いながら待ち合わせ場所にやってきてくれた。そして話すきっかけをつくってくれる。

「それで?何があったんですか?」

「私赤也と喧嘩して口聞いてくれなくなっちゃった」

どうしたら良いかなと聞くとちよはすごく間抜けな顔をしていた。

「え、そのために呼ばれたの?」

「ちよ!私本気で悩んでるの!」

「いや〜私はてっきり丸井と付き合ってる報告をくれるのかと思ってにニヤニヤしながら来たのに」

「え、彼女いたんだ!誰とブン太が付き合ってるの?」

私は話がすり変わったのにも気がつかず、本気で驚いた。
ブン太にとって女性は美味しい物をくれる存在で、餌を求めて数々の家を気ままにまわっている猫ならぬ犬だと思っていたのに。

「その彼女があんたでしょ!なにとぼけてんのよ」
すっごい噂になってるし丸井は別に否定してなかったよ。彼女はとんでもない事を口にした。

「知らなかった、そんな噂あったんだね」

でも思いの外のほほんと答えた私に、ちよはなんだ違うのかとあっさり話を終わらせた。

「それで話戻るけど切原がどうしたって?」

「あ!そう赤也が無視して全然話せないんだよどうしたら良いのかな」

「うーん、なんで切原と喧嘩したの?」

私はちよにこれまでの経緯を話した。

「なんとなくわかったけどこればっかりは私はどうしようもないな。泣き落としてみたら?」

「めんどくさそうに答えないでよ」

「あーそうそう。丸井との噂もちろん切原も知ってるよ」

「そうなの!?どうしようちよ!!!」

「なんで?さっきは全然気にしてなかったじゃん」

「それは……」

「ま、あとは自分の気持ちを真っ直ぐにぶつけるだけじゃない?」


それから私は黙りこんで、その間ちよは何をするでもなく、ずっとそばにいてくれた。どのくらい時間がたったかわからないくらいそこでじっとしていた、私の気持ちがかたまるまで。


「ちよ」

「うん?」

「ありがとう」

「どういたしまして」
ちよはこの一言だけでわかってくれた。
さすが付き合い長いだけある。スッキリした顔をした私を見て頑張りなよ、とニヤリ笑った。

赤也には一言じゃわかってもらえないだろう。だから私はバレンタインデーに託す。



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