神社の守り神様11

「あ〜だるい〜」

やる気のない声に対して元気そうな声が返ってくる。

「五月病ってやつじゃな」

「んだよ、仁王なんて一年中覇気ないのに」

「五月は割と好きぜよ」

変わってんな、そう言いながら丸井は私にも話をふってきた。

「みょうじも新しい環境に疲れでてるんじゃねーの?」

「そうだね、電車通学が初めてだからちょっと疲れてきたかも」

「今まで徒歩なん?」

「ううん、自転車」

ちゃんとヘルメット被らないとすごい怒られた。そう話すと、わかるけどダサいよなって笑われた。この学校来てる人はほとんどが電車通学だろうなという話になり、丸井に最寄はどこか聞かれた。言っていいものかわからなくて仁王を見ると肩をすくめたので、了解を得たととらえて答えた。

「あれ?じゃあ仁王と近所?」

「え〜そうなの?」

わざとらしくないように私は知りませんという態度をとる。仁王は満足そうに俺も同じ最寄りだと言った。

「じゃあ、やっぱり会ったことあるのかもな」

「え?」

「ほら、みょうじ誰かと仁王間違えてたじゃん」

「あー、初日ね」

「そ、本当に仁王だったのかもな」

忘れてるだけじゃねーの、と仁王に話をふるとピヨっと鳴いた。話を変えた方が良いのかなと思い話題を探したけど思いつかない。幸い丸井はもう興味は失ったみたいで、腹減った焼肉食べたいと言い出した。

「あ〜言われたら食べたくなっちゃう」

「だよな、いつもクリームブリュレでしめるんだ」

「ご飯じゃなくてデザートなんだね」

「だから太るんじゃ」

「太くねーし!」

そりゃ仁王に比べたら丸井の方がぷにっとはしてるけど……それで太いだなんて私はどうなるんだ。

「仁王も焼肉好きなの?」

「おん、肉に始まり肉でしめる」

「ひたすらお肉……」

「みょうじはどうなんじゃ」

「私は……お肉も好きだけどサイドも好きだよ。ナムル、キムチ、スープ、ビビンバ、冷麺……」

「ビビンバをサイド扱いって中々見込みあるな」

「え!メインはお肉でしょ?」

なんか私大食いみたいになってないか、慌ててそうじゃないんだと訂正した。

「ま、今度みんなで行こうぜ焼肉」

「ええのう」

「わ、私も行きたい!ちよも誘いたい!」

「俺は良いぜ、大勢の方が楽しくて好き」

「俺も食べれたらなんでもいい」

そう返した仁王に丸井は驚いた顔をした。なんでかなと思ったけど後でこっそり教えてくれた。いつもなら女が来るなら行かないって言うんだ、やっぱりお前らなんかあるだろ。ついでになにやら疑われたので、私女っぽくないからかもねって答えといた。自分で言いながら悲しくなった。



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