神社の守り神様12

家に帰る途中、珍しく人とよくすれ違った。この辺りはお年寄りが多いため、帰宅時間に誰かを見かけることはあまりない。こんばんはと声をかけながら進むと、神社の階段の下で井戸端会議が行われていた。そのグループに属さないであろう人たちはさっさとのぼったりおりたり。どうしたんだろうという疑問と、神社になにかあったのではという不安がよぎった。
今日もちよとテニス部をのぞいて帰ってきたので、はやくても仁王は帰ってくるまであと三十分はある。連絡先は知らない。自然と足が速くなり家についた時には息が切れていた。

「おかえり、どうしたの?」

肩で息をしている私に母が声をかけてくれたが、とりあえず水を飲みたくてコップをとると水を入れてくれた。

「っはー、苦しかった」

「なにがあったの」

「それ!神社なにかあったの?出入りしてる人多かったけど」

ああ、と納得したように笑う母。それで怖くなったのねと言われたけど、なんか少し違うように捉えられている気がした。私は仁王が心配なだけであって、私自身がこわかったわけじゃないのに。ムっとする私にチラシを渡してくれた。

「稲荷祭……?」

「今日から三日間やるんだって」

「屋台とかなかったけど」

「祭りってそうじゃなくて、神様や白狐さんに感謝してこれからもお願いしますって参拝しましょうってことよ」

「え!私も行きたい!」

事件とかではないどころかとてもありがたい時期なだけだった。この土地に住んでるからいはちゃんと行かないと、そう思ったのは私だけじゃなかった。

「お父さんがみんなで土曜日に行こうって言ってたわよ」

「明後日?お供え持って行きたい」

「そう思って油揚げたくさん買っちゃった」

ついでに私たちもご飯にいなり寿司食べましょう、と言われた。大好物なのでもちろんと即とした。その時ふと今日の会話を思い出し一つ提案をした。

「たぶんみんな油揚げ系を持ってきてるよね?」

「まあそうかもね、使いが狐って言ったらあげさんだもんね」

「お肉、好きだと思うよ」

「……ウサギの?」

ちょっと想像してしまった。確かにドキュメンタリーではキツネがウサギを捕食しているシーンをよく見るけど、前の神社では使いが兎だったのでなんか複雑だ。

「牛、で良いと思う……コロコロステーキとか」

「ああ、いいわね」

野良猫に食べられそうだけど本来肉食だもんね、そう母が賛成してくれた。確かにあの日猫いたもんなと思いだし、もしかしてあの猫もどこかの使いで仁王に会いにきてただけなのかなって想像してみた。すごくファンタジーになっておかしくなった。




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