神社の守り神様13

次の日、いつものようにおはようと声をかけ席につく。丸井は学校指定の鞄を枕にして寝ていた。

「おはよう、丸井体調悪いの?」

「眠い言うとった」

仁王に声をかけるとつまらなさそうに答えた。

「わかるなあ、天気良いとよけい眠くなっちゃう」

窓越しに空を見上げると私も寝たくなってしまった。そんな私とは逆に仁王は話を続けた。

「明日は部活ハードやけえ余計だるいんじゃろ」

「そうなの?」

「午後から高等部と練習試合」

「え!土曜日なのに部活あるの?」

「おん、午前中は基本練習」

休みの日も一日部活があるということは平日よりも体力が削られる。だからこそみんな強いんだろうけど、私には真似できないなと思った。
仁王から聞いた土曜日の過ごし方にポカーンとしていたら、いつの間にか起きた丸井が声をかけてきた。

「あーあ、差し入れがあったら頑張れるんだけどなあ」

「えっと……」

「お菓子とかお菓子とかお菓子とか」

「私、明日は用事あるんだ」

「差し入れよりも大事な?」

「別の所に差し入れ?をしに」

なにそれとしつこく聞いてくる。寝不足で機嫌が悪いならあまり刺激しない方が良いと思って簡単に説明した。

「今住んでる地域を守ってくれてる神様にお供えもの持っていくの」

「神様?なんの宗教?」

「宗教じゃなくて、地主神様に住まわせてくれてありがとうございますってお礼するの」

「よくわかんねえ」

どう説明したら良いのかわからなくて困っていると仁王が助けてくれた。
日本では各土地を守護している神様がいる。失礼な言い方すると縄張りをもったボス猫に、あなたの縄張りで生活してますよ感謝してますよって言うような感じ。
ものすごくくだけてザックリで野良猫に例えて……本気で失礼なんだけど大丈夫なのかとハラハラした。使いとは言え神様に怒られるのでは……。心配してる私に気がついたのか仁王は親指と人差し指をくっつけて見せた。一方丸井はなるほどと納得したようだった。

「そういうことね、不良でもよくあるやつ」

「それ漫画の見過ぎでじゃない?」

「じゃあ余りもので良いから差し入れくれよ」

シクヨロ☆とピースをされたので思わず悪口がでた。

「じゃあってなんだ、丸井ってずうずうしいな」

フレンドリーと言ってくれと返ってきたが無視しといた。仁王はボソリと、あいつはやっぱり幼稚園児じゃなって笑っていた。まあ、あの説明でやっと納得してたもんね。理解はしてなさそうだけど。
予鈴が鳴りちよも戻ってきたので、土曜日の夕方テニス部に差し入れしに行かないかと聞いたら即答で行くと答えが返ってきた。



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