神社の守り神様15

焼けたクッキーをさまして小袋に三枚ずつ入れた。それを紙袋にまとめて入れて学校へ行くと、すでに校門でちよが待っていた。

「ごめん待った?」

「実は一時間前から見てた」

「え!そうだったんだ」

「柳生君高校生相手でも勝つんだもん、かっこよくて一時間なんて一瞬だった!」

「仁王は勝った?」

「ダブルスだからね、もちろん勝ったよ」

「あ、そうか」

ダブルスだったことを忘れていた。ちよは、やっぱり仁王のことが気になるんだねとニマニマと笑ってきた。すぐそっちにもっていくので話題を変えた。

「差し入れ何もってきたの?」

「一口ゼリー凍らせてきた、お手軽でしょ」

「運動した後は冷たいもの嬉しいね」

「柳生君ところてんが好きなんだけど、さすがにそれ持ってきたらバレると思って」

ところてんもゼリーも、口当たりがツルンとしているからということらしい。ちゃんと相手の好みを考えているなんて女子力が高い。言い訳じゃないけどお菓子と連呼されたので、口の中の水分を全部もっていかれるクッキーにしてしまった。運動後じゃ食べないかもな、そう思いながらコートの方へ歩いて行く。

「みょうじ―!差し入れー!?」

もう部活は終わったのか、丸井が走ってやってきた。挨拶もままならぬうちに紙袋を奪い取られる。おいおいと思ったが、一袋取り出すと子供のように喜んでくれたので許す。ちょっとチョイス失敗したかなと思ったので、ここまで喜んでもらえると素直に嬉しい。

「やったー!俺お菓子でも手作りがめっちゃ好きなんだよ」

「本当?なら良かった」

「友田も?なんか持ってきてくれたの?」

「うん、もちろん」

きっとみんなにと言いながら、柳生君に渡したいんじゃないか。流れをきりたいけど下手に割り込んで怪しまれてもいけない。どうしようかと思ったが丸井が意外にもナイスプレーをした。

「仁王!差し入れもらった!」

大きな声で仁王を呼び、なぜか柳生君も一緒にこちらにやってきたのだ。それとさらについでに他のレギュラーメンバーも続々とついてきた。なのでちよに肘で行け行けと後押しする。

「これ、みんなで食べて」

「ありがとうございます」

「なんで柳生なの、俺にもくれよい」

「みんなに言うとるじゃろ、丸井は欲張りぜよ」

丸井へのツッコミは仁王が冷静に対処してくれた。それにしてもレギュラー全員が寄ってくるなんて……たくさん用意しておいて良かった。さすが体育会系というのか、一人一人お礼をキッチリ言われたので今度は私も試合を見て感想を言えたらなと思った。



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