「うへ〜ぬるぬるする」
「最初は気持ち悪いよね〜」
自然を体で感じよう、そんなテーマがあるものだから素足での作業だ。初めは足をとられて思うように動けないし、触感は気持ち悪くて中々進まなかった。それに比べ仁王はスッと自分のノルマをクリアし、涼しい顔で私たちのことを見ていた。緊張しつつも時間がたつにつれ、効率の良い動き方がわかってくる。
「慣れてくるとちょっと気持ち良いかも」
「わかる、意外と暖かいよね」
「うん!しかも泥パック的な感じで肌キレイになりそう」
そんな話をしながら進めていき、どうにか終えると他の班もちょうど終わる頃だった。順番に足を洗いみんなで田んぼの写真を撮る。これが大きくなってお米になるのか、そう想像すると今から秋になるのが楽しみだ。
学校へ戻るためにバスに乗り込む。そういえば植えてそのままで育つわけがない、その疑問を口にする。
「あそこの農家さんがやってくれるの、さすがに毎日行けないからね」
「そっか言われてみればそうだよね」
「毎週金曜日の放課後に各班が交代制で様子見に行くんだよ」
そんな会話をしていると前に座っている丸井も加わってきた。
「俺と仁王はどっちかしか行けないからシクヨロ」
「部活あるもんね」
「そ、試合も近いからな」
「いつあるの?」
「八月に大会があるんだよ、絶対負けらんねーからな」
「じゃあまた差し入れ持って応援に行きたいな」
「まじで!リクエストしても良い感じ!?」
はしゃいで喜ぶ丸井に「みんなの意見まとめてからリクエストしてね」とちよが返事をする。「聞いてくるけど手作りが良い!」と丸井は言いながらすぐにグループチャットを開く。仁王は「俺はアイスが良い」と私に向かって言ったので「良いよ」と答えた。仁王は嬉しそうな顔をしたけど、そのやりとりを聞いていた丸井は不公平だと騒ぎだした。丸井が好きな手作りにするからと言うとようやく大人しくなった。
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