お昼休み、ご飯を食べてちよとまったりしていた。大きな声で仁王と丸井が呼ばれ、自分の事じゃないのに思わず廊下へ目をやる。人だかりができていたので見えなかったが、たぶんテニス部の誰かが来たんだろうとちよは言っていた。それは正解だったようだ。
「なーお前ら次の土曜日暇?」
「なにかあるの?」
真っ直ぐこちらに向かってきて問う丸井に、内容を先に話せと言うちよ。
「それがさ、午後の部活短くなったんだよ」
「うん、それで?」
「みんなで焼き肉行くからどうかなって、前に行こうって言ってたし」
「そんな話したっけ?」
ねえと声をかけられ私はいつかの会話を思い出した。
「した!行きたい!!もうあの話なくなったのかと思ってたの」
「じゃあ二人共参加な」
「うん!ちよもいいよね?」
「なまえが行くなら行くー」
「時間はココアで送る、やってる?」
やってると即答し順番にコードを読み取る。ついでにちよとも交換をしたら丸井はビックリしてた。この流れでなら聞ける、そう思いずっと黙ってやりとりを見ているだけの仁王にも声をかける。
「仁王のも教えて?」
「スマホ持ってない」
「その嘘はいくらなんでもバレバレじゃない?」
「友田、こいつ本当に持ってないから」
「マジで?」
「マジで」
「なんで?」とちよは聞いても仁王は答えない。丸井がどうせめんどくさいとかそんなとこだろと答えた。「丸井はスマホなかったら寂しくて死んじゃいそうだよね」ってちよがからかい始めた。なんとなく丸井の憶測通りな気がする。でもそれはやり取りがめんどくさいとか、そういうのじゃないんだろうなと思った。それでも、学校以外でもやり取りしたかったから残念だ。
「テレパシー送ってくれたら拾ったる」
目が合った仁王が真顔で言うから、思考駄々漏れなのではと慌てて頭を押さえた。
「よ、読まないで!」
仁王はキョトンとしたあとに声をだして笑った。
「アホじゃろ、読めるわけがなか」
「本当にー!?」
「さあ、どうかの」
「やだやめてー!絶対読んでるじゃん、仁王のえっち!」
ポスンと攻撃をすると、丸井がいちゃついてんじゃねえと悪態をついてきた。考えていることが読まれるなんて恥ずかしくてたまらないのに、丸井は平気そうで良いなと思った。
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