神社の守り神様30

久しぶりの登校日、学校へ行くのが少し憂鬱だった。それでも元気にふるまえたのは先週ちよと約束をしたおかげかもしれない。それは学食でご飯を食べるということ。楽しみにしていたお昼休み、食堂で一番量の多いグリルミックス定食を頼んだ。

「どう?初学食」

「美味しい!しかも本当に安い」

「だよね〜私も久しぶりに食べる」

空いている席に座り食べていると丸井がやって来た。ちよと私は食べる手を止めて空いている椅子を引くとそこにトレーを置いた。

「珍しいじゃん、学食」

「ずっと食べてみたかったんだ」

「しかも一番ごついやつ」

「朝ごはん食べてなくてお腹ペコペコだったの」

ふうんとどうでも良さそうに返事をしながら座る丸井に、ちよは少し周りを見渡してから声をかけた。

「丸井だけ?仁王は?」

「あー、置いてきた」

「なんで?」

聞いたのはちよなのに、丸井は私を見て答えた。

「みょうじ、仁王と喧嘩した?」

「な、んで?」

いきなり聞かれた内容に冷や汗が出た。確かに軽く言い合いになったし、その後も声かけにくくて挨拶すらできていない。ただ喧嘩だと人から言われると、現実を突きつけられているように感じた。

「今日はみょうじと話してるとこ見てねーし、仁王は機嫌悪いしなんとなく」

「あー、うん、喧嘩っていうのかわからないけど、ちょっとね」

「えー!なまえも仁王も怒ったりするイメージないのに」

「私がつい意地になっちゃって、やっぱり仁王怒ってる?」

驚いているちよに苦笑しつつ丸井に探りを入れてみる。ここで怒っていると聞いてしまったら更にダメージを受けるだけだとわかっていても気になってしまう。

「知らねー、だって喧嘩してるってのも今知ったし」

「あ、そっかそうだったね」

「まー早く仲直りしろよ、こっちが気ぃ使う」

「はい、すみません」

その唐揚げでとりあえず許してやろう、その台詞と共に私のお皿からから揚げがいなくなってしまった。ちよは「食べたいだけでしょ」って怒っていたが「良いんだ」とそのまま食べてもらった。

「ねえなまえ、来月はお米食べられるよ」

「育てたやつ?」

「うん、だからさ、それまでにはね?」

「がんばります……」

みんなで美味しく食べたいもんね、ちよの言葉にその通りだなと思った。



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