神社の守り神様41

私の考えていることが伝わってしまったのか、それを知ったら仁王が悲しむと言われてしまった。でもその仁王がいないじゃないか、そう叫んでも神様は優しい声で話を続けた。

ここの神様は歴史が長く、大事にしてくれている地域のみんなも真面目な人。だから、とは言わないが神様の中でも真面目で慎重、歴史を重んじる性格である。仁王が人間に扮して人に歩み寄りたいと言った時も一番反対していた。そこで、人を知ることでわかることもあると説得したのは自分だと言った。

あんなに人とは違うと言っていた仁王が、まさか自ら歩み寄りたいと話していたなんて想像もできなかった。

「そんなに意外でしたか?」

「ええ」

「そのキッカケはあなただったんですよ」

助けられたことで人に興味をもった仁王はもっと知りたいと思ったそうだ。

「実を言うと今回のことも私としてはなんの問題も感じないんです」

「どうしてですか?」

「逆になにが問題なんでしょうね」

「存在が近くなると、神様の立場がなくなるかもしれない」

「むしろもっと親しみを持ってもらえると私は思うんです」

私は仁王に立場がなくなると言われたとき、その通りだなと思った。だから神様の言うことに驚いた。そんな考え方、私が神様ならきっとできない。

「でも、ここの神は違ったんです。けれど私が別にいいじゃないかと言った」

その結果、異例の神様会議が開かれたと言う。全国の神様が集まって、仁王の言動についての会議。やってはならないことをした、この意見が圧倒的に多かったが反対意見もそこそこあったので随分と時間がかかったみたいだ。

「朝起きたら仁王はいなかったのにですか?」

「人とは少し時間軸が違うんですよ」

そう言われるとそうなんだろうなと納得するしかなかった。そして、大変言いづらいのですがと前置きをしてこう言った。

「もう、彼とは会えない。そう覚悟していてください」

目の前が真っ暗になるというのはこういうことか、そうどこかで冷静に考える自分がいた。チカチカする目をなんども瞬きする。

「私の、せいですね……私があんなこと言わなかったらずっと仁王はいたのに」

消えてなくなる。それは死ぬとはまた違う、存在がなかったことにされるということだ。自分の浮ついた感情で神様をも巻き込むことになってしまった。誰に何をどう償えば良いのかわからない。それでも『ごめんなさい』と繰り返すように謝るしかなかった。



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