たどり着いた先9

切原がそばにいることも忘れ今までの出来事をオーバーに話した。

「で、今電話できるようなったって感じ!ちよは?」

『うちはなあ……』

もうこっからは驚きの連続!
あの後に衣食住どないしよって相談したら千歳が下宿先を紹介してくれて、そこで手続きしたらまさかの千歳の隣の部屋!お前寮ちゃうんかい!いや、寮やと監視あるから向いてないか、納得。
しかも四天宝寺のテニス部マネージャーを放課後だけしだしてそれまではバイトしてるって……。

この子めっちゃすすんどるー!!!

でもなるほどね。
うちもバイトと下宿先を見つけるべきやな。

電話を切ると赤也はうとうとしていた。
我ながら騒いでいたと思うけど、よくそんな中寝てられるな。

「おーい、切原くーん」

肩をゆさゆさと少し乱暴に揺すって起こす。

「んあ……電話、終ったんすか?」

「終った!ヨダレでてるよ!」

慌てて口元をふく姿が可愛くて笑ってしまう。

「私バイトするわ!できれば住み込めるとこ!」

「あーそうっすね生活にお金はいりますね」

「それで思いついたことあるねやんか」

「なんすか?」

「丸井呼んでくれへん?」

え?と不思議そうにしながらもすぐに連絡をとってくれた。

「ちょうど外にいたみたいですぐに来てくれるそうっす」

「ありがとうー!」

感謝をこめて切原に抱きつき頭をいいこいいこする。
なにするんすか、と言いつつ嬉しそう(に見えたので)やめなかった。


丸井が部屋に入ってきたので「やあやあ!ごくろう!」と手をふると私がいるのを聞いてなかったみたいで「うお、なんだよビックリした」と驚いていた。

「あれ?聞いてない?私が呼んだのー」

「いや聞いてない。おい赤也」

「俺もよくわからないんで来てからで良いかなと思って」

その台詞に丸井は「は?」って口悪いぜい!

「丸井ってジャッカル桑原と仲良いやんかー」

「本当に知ってるんだな」

「フルネーム……」

「ジャッカル桑原に頼みたいことがあるから呼んでほしくて!」

「それ赤也でも良くなかった?」

「そうっすよ俺も仲良しっすよ」

「切原よりも丸井が私のこと説明した方が信憑性高まるやん」

「確かに」

「ひどいっす」

ジャッカルを呼ぶ。
ただそれだけのことにやいやいわいわい盛り上がって電話するまでに一時間かかってしまった。

そしてジャッカルが来た時にはみんな盛り上がり疲れていて「おージャッカル」「手土産は?」「ジャッカル桑原ポテチ食べたい」と散々なお出迎えを受けたのである。

それでも優しいジャッカルはなんだかんだ言いながらもみんなのリクエストの物を買って再び現れた。

「さすが俺のジャッカル」

「ジャッカル桑原同情するよありがとう」

「できる先輩は違うっすねー」

「もうそれはどうでも良いけどフルネームで呼んでくるその人紹介してくれよ」

「お菓子食ったらな」

「とりあえず座ってジャッカル桑原も食べようや」

「こっち来ますか?」

「俺、なんで呼ばれたんだ?」

彼が疑問に思うのも仕方ない空気感であった。



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