売り切れていたらどうしようとブツブツ言っていたが、地元の小さなゲーム屋には余裕で置いてあった。嬉しそうに抱きかかえ帰ると、まっすぐにテレビの元へ向かった。
「まさか今からやらねーよな?」
「え?なんのために買ったの?」
「先に飯と風呂すませてからにしろ」
「でも朝からずっと我慢してたし今この手の中にあるのにできないなんてそんなことが許されるの?」
「グダグダ言ってると永遠に許されないぞ」
「……風呂行く」
睨みながら言われたので、上がったら飯食えよと釘をさしておいた。家を出る前に大人しく食べておくように言っておいた弟達は、言いつけ通り黙々と食べていたようだ。それにしても食べるのが遅くまだ半分も進んでいない。先ほどのの会話を聞いていた弟達がそわそわしだし、様子を見に来た俺に目をキラキラさせて聞いてきた。
「なまえちゃんなにかったの?」
「げーむ?おれもしたい」
「スマブラ買いに行ったんだよ」
「おれも!おれもする!」
「ずるいやりたい!」
やりたいと騒ぎだしついには椅子からおりた。コラ!と大きな声を出してしまいながらも捕まえてまた椅子に座らせる。
「カレー食べ終わって風呂に入ってから!ゆっくり噛め!カレーを飲むな!」
食べ終わったら、と言えばでかい一口をよく噛まずに飲み込みだした。ちゃんと噛まずに食べるならゲームはさせない。そう言えばそわそわしながらもちゃんと食事を再開した。サラダも残すなよ〜と声をかける。いつもなら中々口にしようとしないのに今日ばかりは必死に食べていた。
そんな二人を見ながら自分も食べているとみょうじがやってきてカレーを盛りつけた。
「少なくね?」
「お昼いっぱい食べた」
「サラダも食えよ」
すでに盛り付けてあったサラダにドレッシングをかけて渡すと大人しく受け取った。
「この前もゲーム買ってたのによくお金あったな」
「ちょっと足りなかったんだけど今日はバイトしたから」
「バイトって……ああ、こいつら見てくれてたのってそういうこと?」
「うん。あ、でも催促したわけじゃないよ。暇だから一緒に遊んでるって言ったらブン太には内緒ってくれ……カレー美味しいね、中辛?小さいのによく食べれるね」
「あからさまに話変えようとしてるけどバッチリ聞こえた。っていうかガッツリ言っちゃってんじゃん」
「ドンマイ」
「なんで俺がはげまされたの?」
よくわかっていない弟達は「おれらもおとなだから」「からいのだってへいき」と鼻高々に返事をしていた。でもな、お前らのカレーだけお子様カレーなんだぞ。
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