中間テストを来週に控えているので、今週は部活がない。それでようやく気が付いた、みょうじが毎日直帰していることに。今日だってそうだ。授業が終わり、すぐに帰ったつもりだったが玄関をあけるとすでにみょうじの靴がある。
「なあ、毎日寄り道もしないでつまんなくねーの?」
「そもそも学校がつまらない」
「友達つくったら?」
「そういうのはいらない」
部屋で勉強していると、ついついスマホばっかりさわってしまうのでリビングに移動した。しばらくしたらみょうじもやってきたので一緒にすることになったが、やはり集中できず会話をしてしまう。
「丸井はそれが楽しいんだろうけど私は群れるとか嫌いだし一人でいる方が好き」
「群れるっていうのは女子独特なんだろうな」
「男子も群れてるじゃん」
「あれは群れてるというよりつるんでる」
「同じだよ」
とにかく人数が多いのが嫌だということだろう。
「でもよ、前に仁王達と昼飯食った時、嬉しそうだったじゃん。なんだかんだぼっち回避したら喜んでるし」
「それはそれ」
「同じだろい。なにも友達百人作れとは言ってない、一人で良いんだよ」
「丸井ってお母さん通り越して口うるさい姑みたい」
ゲームを買いに行って以来、会話が増えた。たまに対戦相手なっているせいか、一気に距離が縮んだ。気がする。このまま学校でも友達が増えたら、というのは無理そうだ。大勢といるのが好きな俺には一人でいたい気持ちがよくわからない。困ることも多いだろうに友達はいらないという。無理強いすることではないが、どうにか友達つくれないものか。
「部活は?運動もできて友達もできるぞ」
「動きたくない」
「じゃあ見るだけは?今度俺の天才的プレイ見に来いよ」
「それを見て私になんの得があるの?」
「丸井君かっこい〜!ってときめく」
「……」
「その目をやめろ」
こうなればお手上げだ。手元にある問題集に集中しようとペンを持つ。問題を読んでいるとみょうじが小さな声で言った。
「……気が向いたらね」
「おう。友達ができたらゲームも一緒にできるじゃん」
「まだその話してるの?今はオンラインっていうものがあるんです〜」
そうですか、と今度こそ勉強をはじめた。しかし五分もたたないうちに「丸井ゲームしよ」と誘ってきたので「俺は勉強してるからオンラインしてください」と返す。授業ちゃんと聞いてたら必要ないでしょってコントローラーを渡される。みょうじは授業聞いていないタイプだと思っていたので驚いた。それでも勉強に集中していたらブツブツ文句を言い出したので部屋に戻った。
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