屋上へむかっている途中でみょうじがキョロキョロとしているのが気になった。
「どうしたんだよ」
「どこ行くのかなって」
「ああ、屋上」
「え、入っていいの?」
「普通に入れるぜよ」
立海に来てはや三ヵ月、屋上へ行くのは今日が初めてだと言う。仁王がピッキングするのかと聞いてきたのでめっちゃ笑った。良い人って言ってたのにどんなイメージだよ、確かに似合うけど。そう言うと仁王がもし閉まってたらお望み通りに、とヘアピンをちらつかせたのでみょうじはオロオロしていた。
鍵がかかっている、なんてことはなくみんなはもう集まっていて俺達が最後だった。
「みょうじ先輩じゃないっすか!久しぶりっす!オンラインでは毎日会ってるけど!」
「そんなに仲良くなったのかい?」
「毎日ゲームをしているとはたるんどるな」
「ゲームは性格がでるからデータ集めには最適だな」
勝手に盛り上がりだしたのであいてる所に座る。柳はひとり言でゲームをはじめようかどうしようかと悩んでいた。
「みょうじだったのか、顔が見えなくてわからなかったぜ」
「せっかくの可愛らしい顔が隠れてしまっていますね」
「ひっ」
ジャッカルと柳生に台詞にみょうじはフリーズした。
「確かに見えないけどみょうじさんってすぐわかったよ」
「そうっすよね、逆に目立ちますもん」
「たしかに」
幸村君のあと赤也がうんうんと頷きながら言った言葉にすごく納得した。そうなんだよな、なんか違和感あったんだけどそれだわ。浮きすぎて目立つんだ。
「ほほほほほほんとうに?め、目立ってる?」
「めちゃくちゃ目立ってるっすよ!」
赤也はよかれと思ったんだろう、笑顔で親指を立てている。しかし目立ちたくないみょうじには衝撃すぎたようで心なしか顔が青い。
「ま、前髪のせい?」
「間違いなく」
今度は柳が即答した。みょうじは頭を抱えた。
「まじかああああああ」
「どっちが恥ずかしい?目見られるのと目立つの」
「目立つの!!!!」
「じゃあ次の休みバッサリ切ったら?」
「そうする」
あれだけ渋っていたのが嘘のようにあっさり切る宣言をした。目が隠れるくらい長いのは自分が隠れたつもりになっていたのか、まるで頭隠して尻隠さずだ。自分から相手が見えなくても相手からは丸見えだもんな。はやくそのことに気がついて言ってやれば良かった。
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